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VOCALOIDユーザーさんにUTAUをお勧めする

2017.11.20(14:33) 171

「野生のVOCALOID」といわれることもあるフリーソフト「UTAU」をVOCALOIDユーザーさんにお勧めするにはどういう視点で語るのがいいかというのを考えてみました。

こういう記事を書くときに気を付けないといけないのは

・VOCALOIDをdisったら燃える
・ごり押し押し付けも燃える
・最終的に結論は「お好みで」になる

というところ。

念のため私の立場を明示しておくと「VOCALOIDもUTAUも両者好きでよく使う。加えて世界の歌声合成に手を出す」人です。UTAU音源も作っています。よろしくお願いします。

【Point 1 無料】
UTAUは基本設備投資なしで始められます。ハモリデュエットの相手リードボーカルに軽率に増やせる歌声合成キャラとしていかがでしょう。

VOCALOIDの場合は最も安く始められるのはクリプトンさんのものを買う方法。最も高いのはたぶんMacでMegpoidコンプリートを使う場合ですね。

UTAUにはお金のない中高生や、設備投資を渋っている人が歌声合成に手を付ける窓口になっている面もあるようです。

【Point 2 大量】
数え方により諸説ありますが、私はUTAUキャラは1万ほどいると考えています。盛大に少なく見積もっても2000はいます。選び放題。

【Point 3 多様性】
そんなわけで、UTAUキャラは多様性が半端ないです。男声女声当たり前、ケモノにモノサシに幼女に翁に何でもあり。要するに同人なので営利的に厳しい超ニッチな性癖にコミットしたものや、商業には載せられないようなアブナイものもあります。

「こんな声がほしいけどVOCALOIDにはいない」というときにUTAUを探してみるとすぐ見つかったりするかもしれません。

個人的なおすすめは「エグみ」のある声です。こんな



【Point 4 音質 音源クオリティー】
「UTAUは音質が悪い」という風に思っているVOCALOIDユーザーさんはまだまだ多いようです。どうしても中の人はプロじゃないことがほとんどで、スタジオ借りて録音ということもほとんどないという面ではしょうがない部分もありますが、UTAU音源制作技術勢の方々の涙ぐましすぎる努力によって音源クオリティーは盛大に向上しています。合成方式も吟味され、特に文句なく張り合えるレベルだといえます。

音質が悪いのは悪いので味があっていいんですけどね。Lo-Fi。

【Point 5 ピッチコントロールとビブラート】
UTAUは世界の歌声合成ソフトのなかでも最も綺麗なピッチカーブが描けると言っても過言ではありません。ピッチカーブに制御点を打って直観的にコントロールするのが本体機能。プラグインを入れるともっと簡単に速く描いたり手書きがやりやすくなったりします。


UTAUのビブラートは世界の歌声合成ソフトの中でも最もコンパクトにまとめられた優秀なGUIをしています。

ビブラート手書き勢には関係ないかもしれないですが。

【Point 6 表情音源】
VOCALOIDにもある「Nomal」「Soft」「Power」のような声質の違うライブラリを用意しておく方式はUTAUにもあります。もちろんない音源も多いわけですが、中には何十もの表情音源を作っている音源さんもいまして半端ないです。

VOCALOIDと違うのはその切り替え方。切り替える使い方ができるように整備された音源であれば、同じパートで切り替えることができます。V4のクロスシンセシスとも違って、ノートを丸々取り換えることができます。

例えば曲中ピンポイントで一個のノートだけファルセットにしたいとき、そこだけファルセットのサンプルに差し替えることができるんですね。

このような「サンプルの差し替え」は声質のコントロール以外にもUTAU独自の表現を支えています。

【Point 7 調声晒し】
これはUTAU文化の大きな特徴です。VOCALOIDのカバー曲を作る人が多いですが、そのカバー動画の画面をMVではなくてUTAUのGUIをキャプチャーして「いかにコントロールしているか」を見ることができる動画を「調声晒し動画」と言います。

ピッチの動かし方はVOCALOIDの人が見ても大いに勉強になりますね。

他に「UST配布動画」というのもあります。VOCALOIDのVSQXに対してUTAUのシーケンスデータはUSTと言いますが、これを配布していることもあるので手元で隅から隅まで分析することもできます。

【Point 8 難点】
いいところばかりでは怪しいセールスマンのようになってしまうので難点も慎重に提示しておきます。

・導入の困難
 本体を導入するのは難しくないですが、UTAUはプラグイン追加してなんぼなところあるので、機能追加するのは楽しいですが環境構築はVOCALOIDに比べると煩雑。UTAUの知り合いに構築してもらうのがおすすめ。

・運営の不安定
 同人ですし趣味なのでサポートをあんまり強要するのは酷。もちろん出す方としてもいくらかやるつもりはありますが会社ほどのサポートは厳しい。仕事だったらやるんですけどねー。

・情報入手の困難
 「公式」というものが基本個人というのもあって情報はかなり分散しています。まとめたwikiを使うと無難な情報は集まります。最新情報やエラー等々はTwitterで集めるのがよい。

・拍子、休符、和音、オケ同時再生、音源形式

 VOCALOIDとは違って、拍子の変更、ハモリの同時再生(Win版)、オケの同時再生はできません。シーケンスには「休符の打ち込み」という独自の方式があります。ひらがなを打って再生するだけでは音が出ない音源も多いです(音源の形式とUSTの形式を合わせるワンクリックが必要)。

等々細かい違いはもちろんあります。私はもう慣れてしまって気にしてないですが乗り換えに違和感がある人はいます。できることできないことはそれぞれある。これらの特徴を利用したテクニックもかなり存在しますしね。

【まとめ】
使ってみて、お好みで!


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大学ボカロ部事情2017

2017.11.18(15:33) 170

初音ミクが世界に現れて早10年。全国の大学でボカロ部や同好会ができては消えできては消えを繰り返してきました。

そんな中、現在活動していることを私が認知出来ている4つの団体とそれぞれ対談することができたのでその内容をざっくりとまとめたいと思います。

この記事に出てくる団体は

大阪市立大学ボカロ部さん
同志社大学VOCALOID研究会Arpeggioさん
北海道大学ボーカロイド同好会さん
早稲田大学VOCALOIDファンクラブさん

です(50音順)。

【基本情報】
・大阪市立大学ボカロ部
 所在:大阪
 人数:約20人
 部費:無し
 年数:2017年時点で4年目
 部長:創始者
 部室:無し
 補助金:無し
 特徴:攻める広報によって広報力が高い
    外部にも公開されるプロジェクションライブが目玉企画
    かなりアットホームに自由に活動
    モーションキャプチャーも使ったMMDが活発な印象
    クリプトンの割合が高め?

・同志社大学VOCALOID研究会Arpeggio
 所在:京都
 人数:約50人
 部費:500円
 年数:2017年時点で7年目
 部長:6代目
 部室:無し
 補助金:無し
 特徴:作曲、演奏してみた、イラスト、踊ってみた、歌ってみたなど活動は多岐にわたる
    関西ボーパラでのCD頒布やバンド、ダンスステージが公開された活動
    月1回の総会と週1、2回の昼食会が日常の活動
    同志社以外の学生も入会可能

・北海道大学ボーカロイド同好会
 所在:札幌
 人数:約30人
 部費:無し
 年数:2017年時点で2年目
 部長:創始者
 部室:無し
 補助金:無し
 特徴:去年できた比較的新しい団体
    日々の活動は週1回3時間ほどの集まり(布教会)
    ボーカロイドの趣味を共有し摂取する
    クリプトンさんと何かしたり、雪まつりに出店したら目玉になるのでは|д゚)チラ

・早稲田大学VOCALOIDファンクラブ
 所在:東京
 人数:約90人
 部費:500円
 年数:2017年時点で4年目
 部長:2代目
 部室:無し
 補助金:無し
 特徴:ボーカロイド趣味を共有し摂取する
    月1回の総会と布教会が日ごろの活動
    イラストに強い
    地の利を最大限活用したイベント参加

【類型】
見てみるといくつかの類型に分けられることがわかる

・創作系と摂取系
 ボカロ趣味を共有するため集まってボカロ曲をお勧めしあったりイベントやグッズの話をする、文化を摂取する部と(摂取に加え)自ら作曲したりプロジェクションライブなどを作る創作系とに分けられる(分ける意味はない)

・ミク部、クリプトン部、ボカロ部、歌声合成部
 主にミクの話でもちきりになるところ、クリプトンに全意識を集中するところ、ボカロキャラ全体に趣味が広がるところと、歌ってみたやUTAU他の歌声合成にも手を出す雑多なところなど様々。何ができてもできなくてもどんな趣味でもウェルカムで、来るもの拒まず去る者追わず自由な気質が強い

【共通した傾向】
・どの団体も部室、補助金がなく共有財産を所有しにくい状況にある
 例えば団体共用のパソコンにミクをインストールしようってなった時に、パソコンの置き場と金がない。部室と金が切実に欲しい

・日々のイベントのネタ切れ感が強い
 曲をお勧めしあう、ボカロ関連の話をする、たまにパーティー的なことをする、イベントに参加する、カラオケに行く。など、年度の後半になるにつれどうも新鮮さにかけることになる。ほかの団体と交流したりコラボしたりしたい

・VOCALOID以外の歌声合成ソフトと周辺文化
 VOCALOID、特にクリプトンや初音ミクの存在感が確かに強いですが、クリプトン以外のVOCALOIDやUTAU、CeVIO他歌声合成、および歌ってみた、踊ってみたを摂取する人も多く所属しています。近年では歌ってみたに興味があって入部する人も結構増えてきました。早稲田大学には内部組織としてUTAUファンクラブ(UFC)が存在したり、別サークルとして踊ってみたサークルが存在したりもします

・団体の存続と技術、文化の伝承
 どうしても歴史が浅くなるのでだんだん人が減っていって自然消滅する危険性がある。活動の前例になるサークルが少ないうえ、まだ卒業生がいないレベルで活動歴が短いのでかなり試行錯誤しながら運営していくことになっている。そういう意味ではほかの団体との交流は意見情報交換という意味で有意義。また、持ちうる技術や文化がかなり個人所有のものになっているためきちんと意識して伝承していかないと、次年度以降できなくなるイベントが存在する

・広報
 ボカロ部の情報は探してもなかなか見つからなかったり、古かったりしてなかなかお目当てのものにありつけないです。さらに、広報担当が特にいなかったりそもそも広報で何を発信すればいいのかわからなかったりと認知度上昇のための手段に戸惑いがある印象。ただし、広報せねば部員は増えないのです

・人数が増えると人間関係がもつれだす
 ボカロに関係なくよくある事。ただ、あんまり派手にやって炎上したりすると必要以上にたたかれやすい(後ろ盾がない)ので、穏便にしたいところ。ボカロ部は静かに暮らしたい

【ボカロ部の今後】
活動歴の浅いサークルが多いということはすなわち「これから発展していく」ということ。ポジティブにとらえましょう

世間的にまだ風当たりが強い面がありますが、VOCALOID含め歌声合成文化がいくらか安定しだしてきている今は結構安心して活動できるようになりつつある時期ではないでしょうか

イベントに参加するサークルとはまた違って、それなりの規模と組織があるので地方のオフ会の拠点として活動できることもあるのでは?という意見もあったりして

クラブサークルも去年から今年にかけて早稲田さんがイラスト本を頒布したり、同志社のCD政策が増えたり踊ってみた班が新設されたり、大阪市立では設備投資でプロジェクションライブのモーションが進化するかもとか、北大さんが人数増やして活動の情報を積極的に摂取したりしてるのでこれから期待できるんじゃないでしょうか。団体同士のコラボも増えるかも

【まとめ】
今後の大学ボカロ部に期待。

記事はまじめな感じになりましたが、対談はたいていミク廃とオタクが集まるのでくだらない話もオタク感満載のトークも炸裂しています(むしろその時間のほうが多い)。ほかの大学のボカロ部もあったら会いに行きたいですね。情報お待ちしています。


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無料で使えるVOCALOID Unity-chan! と格闘

2017.11.17(13:40) 169

UTAU音源はそのほとんどが無料で入手出来て無料で使えます。CeVIOではハルオロイドミナミという無料ライブラリがあります。

じゃあ、VOCALOIDは?

「ランタイム版Library unity-chan!」

ですね。

ただし今回は結構ハードルが高いので注意です。

今回はUnityとかわからん。ただUnity-chan!を歌わせたいだけなんだ!という記事です。

【歌わせるまでの道のり】
0.歌わせたい曲のVSQXを用意しておく&Unityをインストールしておく
オケを読み込んでいない、1トラックだけのVSQXを用意しておきます。
Unityのインストールは頑張ってください。

1.ダウンロード
何も考えずに公式HPから

VOCALOID SDK for Unity
・サンプルプロジェクト3種類同梱パック

をダウンロードします。

2.インポート
まずはUnityを立ち上げてプロジェクトを新規作成します。名前はテキトーに「VOCALOIDUnity」とかでいいんじゃないですか。

その状態で先ほどダウンロードした「VOCALOID_SDK_for_Unity.unitypackage」をダブルクリックしてインポート。

さらに「HelloVOCALOID.unitypackage」をダブルクリックしてインポート。

これで準備は終了

3.コーディング
プログラミングって程でもないですが、ちょっとC#を書きます。コードの書き換え以外は真ん中の「Project」タブ内での作業になります。
Unity.png

A.VSQXをStreamingAssets→VOCALOID→SequenceFileにD&D
B.VOCALOID→Scripts→PlayBack→VocDirectorを編集します

VocDirectorをダブルクリックしてエディターを開いて

private string[] sequencePath = new string[] {"/VSQXの名前.vsqx"};

と書き換える(画像では「浅き夢見じ」)。

4.再生
Scenes→PlayBack を選択して上部の再生ボタンを押し、UIのど真ん中に一個だけあるボタンを押すと再生されたりします。

再生されないときの対処法はUnityに詳しい人に聞いてください。

デフォルトだと音量がかなり小さかったりするので、

Mixers→Master

で音量を調整してください。

これでとりあえずVSQXを歌ってくれます。

【まとめ】
無料でVOCALOIDするには相応の対価が必要

今回できたUnity-chan!の音声をおいておきます。ランタイム版の音質は確かにちょっと下がりますね。

あと、このシーケンスだけかもしれないですが、[ん][ー]の連続したノートの出力ができてないです。


参考元はこちら


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その他歌声合成 トラックバック(-) | コメント(0) | [EDIT]
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大学の授業でUTAUを使う先生がいるらしいので対談してみたら「歌声合成と日本のICT教育」みたいな話になった件。

2017.11.14(19:17) 168

今回は京都精華大学でコンピューター音楽や音楽教育を教えていらっしゃいます落 晃子先生と対談してきました(@同志社)。

落先生は本務校京都精華大学のほかに同志社女子大学や帝塚山学院大学などでUTAUを使った授業も行う先生です。

ちなみに私は同志社VOCALOID研究会Arpeggioの学生です。

【対談の経緯】
UTAU音源Marineの中の人「うちの先生は授業中にUTAUを使う」
私「何それ対談したい」

~数か月後~

Mari中「対談取り付けてきたよ」
私「やっっっったああぁぁぁぁああああぁぁ!!!!」

「歌声合成と教育」というなかなか珍しいテーマの対談になりました。

【内容1 大学における音楽の授業と歌声合成】
Q.授業でUTAUを使っていると聞いたのですが、どういう風に使われているのでしょう?
A.作曲の授業をするときに「メロディーづくり」の導入として使っています。同時に打ち込みの練習するのにも使えます。

大学での授業で使われているのはMac版のUTAU-Synthのほうだそうです。メロディーを担当する楽器としてはもちろん歌声以外もありますが、ジャンルの特性(授業はアニメ・ゲーム音楽を扱うものらしいです)からしてシンセリードかボーカルになりますね。メロディーをイメージするのにはいい楽器なわけです。そういう意味ではVOCALOIDでもCeVIOでもいいわけですが、「日本語で」「無料で使えて」「クオリティーの高い歌声」を合成するという目的ではUTAUが適任なのでしょう。無料が強い。


打ち込みの練習としても使えるらしいです。基本的にはモノフォニック(同時発音が1音のみ)なのもよいのかもしれません。ここでMac版を使う意味が出てきます。もちろんハード的な意味で使っているというのが大きいわけですが、Mac版UTAU-SynthはMIDI打ち込みに近いんですね。

※UTAU-SynthのUI
UTAUSynth.png 

Windows版のUTAUは休符を打ち込むというMIDIの打ち込みからしたらおかしな仕様になっているのでこの用途には不適切なわけです。私は「伝統的な楽譜」があってそれを打ち込むとかいう場合であればありかなとは思います。

※Windows版UTAUの休符
休符 

さらにいうと、メロディーづくりをわかりやすくするためにUTAUを使っているので連続音だとかCVVCだとか技術的な内容は触れる必要がないんですね。Windows版UTAUの初心者躓きポイントの一つである音源形式は作曲者からしたらシステムの中で自動でうまいことやってほしい所です。「あか」って入力したら「あか」と歌ってくれればいいのです。

Windows版UTAUでは基本その辺を意識しないといけないわけですが、Mac版UTAU-Synthではその辺は意識しなくても勝手にしてくれるので都合がよいのです。

DTMをやってる人からすると当たり前の事ではありますが、MIDI(=楽譜データ)とオーディオ(=波形データ)は別物です。これを感じるのにもちょっといい点があるようです。レンダリングですね。UTAUのシーケンスデータはMIDIとはまたちょっと違うわけですが、楽譜データ→オーディオデータにする段階でタイムラグがある(レンダリング中)のでなんとなく別物なんだなーということが感覚的にわかることもあるそうです。

【内容2 UTAUとの出会い】
Q.そもそもどこで歌声合成やUTAUを知ったのでしょう?
A.現代音楽の人脈の中で知りました

考えてみれば普通の事ですが、現代音楽と歌声合成ってかなり相性がいいんですよね。むしろ初期のボカロ曲の、人には歌えない速さとか高さは現代音楽的アプローチとしてみることもできるかもしれません。

そんな中で初音ミクの「ミクロコスモス」を作った方との交流から歌声合成に興味を持ったそうです。


UTAUを知ったのは無生物音源(歌う無生物)がきっかけだったそうです。


これもまた考えてみればしっくりくるんですが、UTAU無生物と現代音楽もいろんな意味で相性抜群なんですね。

【内容3 歌声合成と日本のICT教育】
教育のお話になりますが、日本は現在ICT教育を激推ししておりまして音楽教育にもその影響が現れだしているそうです。音楽に限らないことですが、ICT教育は今のところ「今までもやっていたことだが、ICTを導入すると便利になる」ということであれば特になんということもなく浸透していきそうな雰囲気はあります。もちろんまだ機械不信な先生もいるらしいですが、問題は「ICTによって現れた今までにないこと」です。

という話を掲げておいて、「VOCALOID教育版」の話に移ります。


YAMAHAさんの授業指導案などを見ると、VOCALOID教育版の使いどころは「作曲」のようです。皆で共同作曲をするという授業の中で自由に歌わせられる(音程に関しては自分で歌うよりも正確)VOCALOIDをいじり、試行錯誤しながら作詞作曲していくことで云々ということらしいです。

で、最終発表という段になると生徒が自分たちで歌うんですよね。つまり仮歌を作る用途での利用となります。

作曲する段において試行錯誤がしやすい(人が歌うより再現率が高い)のは確かに便利かもしれません。

小学生を授業の対象としたときに、メロディー作りましょうってなってパソコンから歌声が出てきたらかなりテンション上がるんじゃないでしょうか。小学生のモチベーションを保つのにもってこいの題材ですね。

歌声合成からはちょっと離れますが、シンセサイザーの話をしました。

「ICTによって現れた今までにないこと」の一つとして「シンセサイザーでの音作り」があるとのことでした。

今までは作曲するにしても「音作り」はしなかったわけです。木琴を使うのか鉄琴を使うのかという「音選び」です。DTM的に言えばプリセット。

シンセサイザーでの音作りはプログラミングの観点からも面白く、音楽的な意味でもとても楽しい作業ですね。つまみをいじったりモジュールをつないでみたりして実験しながら好きな音を探っていきそれを使て曲を作る。とても魅力的ですよね。こういうのは知育玩具にも現れました。「リトルビッツ」というもので、ブロックのようにつなげたり外したり組み替えながら音を作っていきます。


今までにないことを受け入れるのは時間がかかりそうでもありますねー。

【内容4 小話】
初音ミクとDX7
 初音ミクのデザインには往年の名器と言われるハードウェアが混ぜ込まれているわけですが、これはDTM黎明期からDTMをはじめ衰退期にも生き延びていたDTMerをターゲットにした結果と聞いたと聞きました(二重伝聞)。確かに初音ミクが出たときの若者にDX7って言っても通じないですよね。キャラ絵と萌え文化の関連で若者もターゲットにできたのは強い。

CeVIOで授業
 風邪をひいて声が出ないときにCeVIOトーク機能であいさつしてみたらバカ受けだった話。それでこそTTS(TextToSpeech)。

仮歌に学習系歌声合成
 仮歌に歌声合成を使う流れは来ているという話。VOCALOIDだとさすがにベタ打ちでは物足りないのでCeVIOのような学習系の歌声合成を使うのもあり。VoiceTextのようにベタ打ちでかなり勝手に表現してくれるものもある。仮歌にしては表現しすぎかもとも。


Renoid
 WindowsでもMacでも関係なく使えて、上記の教育的要求に十分に耐えられる歌声合成と言えばRenoidPlayerですよと言う話。


肉声至上主義の学校
 先生も都市伝説だと思っていたらしいですが、お昼の放送でボカロ曲禁止という学校は実在するという話。教育的に考えて別にVOCALOIDが歌ってても別に問題ないと思うんですけどねー思想傾向としてちょっと流しにくい曲はピンポイントであったりしますが、それはVOCALOIDのせいではないですよねーという雑談。

京都精華大学
 Q.精華大学では夢眠ねむさんと黒田亜津さんのVOCALOID授業イベントがありましたが先生は関係ありますか
 A.私ではなくて別のVOCALOID先生です


同志社女子と帝塚山
 Q.この二つの大学では蔵書検索するとUTAUパーフェクトマスターがヒットするんですが何か関係ありますか
 A.シラバスに書いたら入ったみたいですね

UTAU他歌声合成を使った授業をする先生
 ほかにも歌声合成ソフトを使った授業を行っている先生はちらほらいるそうです。初音ミク文化論みたいなのはたまに見ますが音楽の授業もやはりあるんですね。

授業中にUTAU音源収録
 作曲の授業ではヘッドフォンしながら大学生たちがDTMしているらしいですが、先生も含めて静かにしてるのでそれを利用してマイクを持ち込んでUTAU音源を作って使った生徒さんがいたらしいです。90分あれば何でもできますね。講義中の先生を録音するというのは定番ですね。

なかなか聞けない教育と歌声合成&シンセサイザーのお話でした。


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自動でそれっぽい歌詞を生成してくれるソフト「迷句リリ」

2017.11.13(18:46) 167

歌声合成を使って作曲してる人の中には「歌詞がどうしてもかけない!」とか「自分で書いてもちゃちい」とか悩んでる人がいっぱいいるんではないでしょうか。

「迷句リリ」はそんな人でもボタンをポチポチすればそれっぽい歌詞を生成してくれるツールなのです。

【導入】
本家様ページでダウンロード可能です。ZIPを解凍して中のEXEを実行すると立ち上がります。

【使い方】
1.作曲する
 迷句リリで作詞しようという場合には曲を先に作っておいた方がやりやすい気がします。最低限メロディーは仕上げましょう。今回はこんなの。
Liry01.png 
オケもアコギ一本でAm-F-G-C弾いただけ風のを用意しておきました。

2.フレーズごとの文字数を数える
 1フレーズに何文字(何モーラ)あるかを数えます。今回のは12モーラが4フレーズでした。

3.迷句リリを起動
Liry02.png

「音数」に先ほど数えた1フレーズごとの モーラを入力
「行数」にフレーズの数を入れます。

それで「作詞」ボタンを押せばほらもうこの通り歌詞っぽい何かが出来上がります。

ストーリーや文脈はありませんが、意味深な歌詞という雰囲気を醸し出しておいて考察班の方々にゆだねるというのも一つの手かもしれません。

ネタ出しに使うのもいいかもしれないですね。

4.ボーカルを作成
 できた歌詞とMIDIでVOCALOIDなりUTAUなりを使ってボーカルを作ります。

5.オケとMIX
 MIXしてマスタリング等々したら完成。

【まとめ】
簡単でしょ?

今回できた音声を置いておきますね。ボーカルは朱音イナリしっとりです。



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