VOCALOIDには3人のスペイン語キャラがいるわけですが、そのうちのMaikaをちょっと使ってみたので、メモしてみます。
中国語調声と英語調声の息抜きにスペイン語調声した。
— くろ州=歌声合成好き (@kM4osM_96s) 2019年2月6日
曲はkoyoriさんの「独りんぼエンヴィー」スペイン語版
ボーカルはMaika
歌詞はAnkariさん動画を参考に pic.twitter.com/YhT3L09NIo
【歌詞入力】
スペイン語をそのままつづればOK。「El niño」とかたまに特殊な記号が出てくる場合は「n」を打ち込んで変換していれば出てきます。変換しないと動かないことが多い。
ちなみに、スペイン語の「ll(Lが二つ)」はめちゃくちゃ特殊で、リャ行になったりヤ行になったりジャ行になったりしますが、Maika on V4Editorでは「L」行になります。この辺は地方差ですが、ヤ行やジャ行のほうがスペインっぽいのかな?みたいなことは聞くので発音記号のほうを修正するのがよさそうです。
あとは日本語と同じなので普通に調声しちゃってください
【スペイン語曲?】
スペイン語ボカロ曲はほぼ見たことないですが、スペイン語で歌ってみたは少しだけあります。そこから歌詞を借りてきて使うとか、スペインのボカロじゃない曲を歌わせるくらいの使い方になると思います。Maikaで日本語を歌わせるのも楽しいとは思います。
スポンサーサイト
くろ州の合成音声備忘録
VOCALOIDは推奨音域を外れるとかなり聞きづらい出力になります。高音に外れればキンキンした耳に痛い音になり、下に外れれば一気にこもって聞こえなくなります。
これを少しだけ改善する方法があります。
(1)打ち込み
普通に打ち込みます。
(2)打ち替え
聞きやすい高さまで移動します。
(3)PBS
(2)で変えた高さと同じ値にします。例えば(2)で5高くしたなら、PBSは「5」に設定します。
(4)PIT
「-8192(固定)」に設定
下方向へのシフトは結構うまいこと行きます。上方向は「少しは改善されるかな?」くらいのものです。
ちなみにこれをやると、PITで書くビブラートやしゃくりなどはできなくなりますのでノートの分割などで対応してください。
どうしてもビブラートさせたい場合は(2)で移動した高さより大きい値をPBSに設定してやり、計算してPITを決めます。例えば(2)で上に5シフトしたなら、PBSを7に設定してPITを-5890にすれば、PITに全音分の余裕ができるのでビブラート、しゃくりができるようになります。
くろ州の合成音声備忘録
こちらの記事で述べたようにVY1Naturalは高音と低音に音量の開きがあります。これの補正に使うのはJobPlugin「AutoCrossSynthesis」「TransferControle」です。
VOCALOIDSHOPで製品を購入するともらえるJobPluginですが、メールマガジンの登録でももらえるので頑張ってみてください。
このオートクロスシンセシスはどうも「音程によってパラメーターを決定している」ようなので、これを利用してみます。
(1)設定
ジョブプラグインのオートクロスシンセシスを実行します。設定は「Range」=64で「上下反転」にチェック。
こんな感じになります。
これをトランスファーコントロールでDYNに移動
すると、弱い低音域は大きく、強い高音域は小さくしてくれます。
聞き比べてみましょう。最初に流れるのが調声前、次に流れるのがJobPlugin適用後です。
「音程によってパラメーターを変化させたいとき」(BRIとか?)には常に使える技ですね。
くろ州の合成音声備忘録
英語ライブラリの調声の基本は
・発音調整
・タイミング調整
・BRI調整
です。
(1)発音調整
日本語の「あ」に近い発音が
「a」「@」「{」「V」……
二重母音や曖昧母音・二重子音なども含めると日本語とは比べ物にならないバリエーションがある英語ライブラリは、たとえ辞書の通りの発音記号で入力しても違和感のある発音になることが多いです。
逆に言うと「同じ音に対して多くの候補がある」ともいえます。
二重母音(aI)などを母音分割して(V I)に変えるといったことで発音がよくなったりします。
ほかに(@r)を(r)に変えるような大胆なこともあります・
(2)タイミング調整
例えば一つのノートに「first」と歌詞を打ち込むと、そのノートには
「f」「@r」「s」「t」
という4つの発音記号が入ります。この状態ではどんなに気に入らないタイミングで「s」が鳴っても調整できません。
なのでこのノートを分割して
「f」「@r」「s」「t」
の4つのノートにしてしまいます。
こうすれば個々の発音のタイミングを調整できます。
ただし、これにとって分割された子音は無駄に強く発音されたりするのでVELやOPE・DYNで目立たなくする工夫が必要です。
(3)BRI調整
不明瞭に発音する、もしくは明確に発音せず流すことが多い英語においてその不明瞭さを演出できるのがBRIパラメーターです。
不明瞭にしたい部分を局地的に小さい値にしてやればすぐ不明瞭になります。
くろ州の合成音声備忘録
「VOCALOIDEditor for Cubase」や「PiaproStudio」は一応DAW上でプラグインとして動きます。
しかし、
Cubase以外のDAWを使っていたり、「VOCALOIDEditor」を使っていると
DAWでのオケ制作とボーカル制作が同時進行できない!!
ということが起きます。
「どうしてもVOCALOIDEditorをDAWと同期させたいんだ」 という方はこちらのツールを試してみましょう。
この「V3sync」はありぱぱさんが開発してくださった「VOCALOIDEditorとDAWをReWire接続してくれるツール」です。
?
という方。大丈夫です。わかんなくても大丈夫です。
(わかる人向け)
VOCALOIDEditorはV2時代までReWire接続に正式対応していましたが、いろいろあってV3では見送ったらしいです。
この「V3sync」はVSTの形式をとってどうにかこうにか頑張ってDAWとのReWireを実現したようです。感謝!!
使い方(中級)
(1)上のありぱぱさんのページから「V3sync」をダウンロード
(2)zipファイルを解凍
(3)中にある「Setup.exe」を実行してインストール
(4)DAWとEditorを起動
正常に実行できていたら次からが可能になる。
(5)Editorのミキサーを表示し、音を出力したいトラックに「V3sync」を挿す。
(6)DAWで新しく作ったトラックの楽器指定やエフェクト指定画面(DAWごとに異なる)で「V3sync」を指定。
(7)音が出れば正解。
出なかったらどこかで間違ってるかPCが悪い。
参考ページはこちら。
こっちのほうがわかりやすいと思う。名門サイト様ですし。