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文字で歌わせる歌声合成「MikoVoice」

2018.05.19(20:42) 226

歌声合成ソフトの多くはピアノロールでMIDIを打ち込むようにノートを入力し、そこに歌詞をあてはめるというグラフィカルな操作を行って打ち込み作業をしていますが、たまに五線譜で入力するものもあります。LaLaSongだったりMusescoreで打ち込むときのSinsyだったり。今回触るMikoVoiceはそのどちらでもないです。文字で指定していきます。

こちらを見てください。



この動画を見れば使い方はすべてわかりますね。

【導入】
公式HPからダウンロードして解凍。binフォルダの中の「MVBox.exe」を実行すれば立ち上がります。簡単。

【使い方】
1.テンポとキーを指定
「*Te」の直後に数字を入れるとそれがプロジェクトのテンポになります。
EX)テンポ120とする表記 *Te120

「*Ks」の直後に数字を入れるとそれがプロジェクトのキーになります。
数字は♯や♭の数を表しています。
EX) *Ks1 なら♯1個=Gメジャー/Eマイナーキー
    *Ks-3 なら♭3個=A♭メジャー/Fマイナーキー

うまく設定すればノートにいちいち♯や♭を書かなくて済みます。

2.ノートの打ち込み
「音名-長さ-歌詞」の順で書いていきます。
EX)ドの音程で4分音符の長さ「か」と歌う表記 c4か

音程は英語表記でc-d-e-f-g-a-bです。これはピアノロールと同じですね。
そのうえでシャープは#(半角ナンバーサイン)、フラットは%を付け加えます。
つまりD♯=d# E♭=e% ですね。
オクターブを上げたければさらにそのあとに「+」を上げたいだけ付け加えればOK。
逆に下げたいなら「-」
休符は r8 のように「r」の後に長さを指定して使います。

ノートの長さは数値で指定しますが、単位は16分音符です。
つまり8分音符=16分音符×2なので、表記は 2
2分音符=16分音符×8なので、表記は 8
となります。ちょっと難しい。

歌詞は普通に打ち込みましょう。以上。

【特徴】
・実は複数トラックの同時再生に対応している
・「ー」ノートによるノート分割に対応
・ジェンダーフラグもある
・UTAU単独音程度の合成クオリティー
・子音が短め
・感覚的な打ち込みにはかなりの熟練が要求される
・細かい調声はVocalShifterなどで

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VocalShifter・WAVESTuneLT・ABILITYのピッチ編集を比較してみた

2018.05.15(14:14) 225

ピッチ編集といえばメロダインとかオートチューンとかありますが、お高いし私持ってないのでちょっと違うソフトを使ってみました

【使用ピッチ編集】

VocalShifter LE:無料だ!
WAVES Tune LT:3千円とかそこらへん
ABILITY:DAWだ! ボーカル編集機能を使ってみる

【使用歌声合成】
Sinsy:Sinsyの調声は基本上記のソフトを使うことになる
歌うボイスロイド:細かいことしようとすると必要

息っぽさの少ないSinsyとかなり多いVOICEROIDの比較も多少できる

【編集前の音声】
Sinsy VOCAL:f00005j 曲名:Calc.


VOICEROID VOCAL:琴葉葵 曲名:始発とカフカ


Sinsyはベタ打ちでもそこそこ歌う。VOICEROIDはKotonoSyncとKotonoToneで作った。音域制限があるので高音はすべてC#に代わっている

【VocalShifterでピッチ調声】
私は基本これ

Sinsy


VOICEROID


使用したエンジンは両者とも同じ、ピッチの変更による劣化はSinsyで特に目立つ
VOICEROIDはVocalShifterで高音を作った場合息成分は減り、比較的強めになる
ボイロの場合、高音でパワーが欲しい時にこの劣化を活用するのはありかもしれない

自由度が非常に高く、特にタイミング補正が(やりやすくはないが)満足な機能を持ち合わせている


【WAVES Tune LT】
WAVES.png
ピッチ補正用のVSTプラグインであり、味付けはほぼできない。
タイミング補正もできなければ操作性も高くないが、音質の劣化が少ない

Sinsy


VOICEROID


Sinsyの場合どうしてもVocalShifterで劣化が気になる場合、先にこちらで軽く調声して劣化を最低限に抑えるとか、そういう使い方

VOICEROIDの場合は元の音声の味を保ったままピッチ変更が可能(操作性の問題で上の音声は当たってない音もあるが)。KotonoSyncに読み込ませるVSQXを事前に可能なキーに収めておいてこれであとから一気に本来のキーに戻すというのが結構楽で、しかもいらない音の変化がない


【ABILITY ボーカルエディター】
ABILITY.png
そこそこいじれるし、音質劣化もそこまでではないけどよくノイズが混じる

Sinsy


VOICEROID


音質劣化はVocalShifterに比べると少ない。MIXしてしまえばたぶんばれない
ピッチは手書きできるけど、そこそこピッチ判定してくれない
タイミング調整は子音も母音も一緒にされる。ノート分割してうまくいくかもしれない


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歌うボイスロイド

2018.05.07(02:08) 224

メモ帳で動画を作ったり、EXCELで絵をかいたり、パワポでゲーム作ったり。そういう「想定された用途外の使い方」私大好きです

これを「その他の歌声合成」に入れるかどうか割と悩みましたが、入れます「歌うボイスロイド」


【VOICEROIDとは】

文字を入力したら読み上げてくれるソフト。歌声合成ソフトではない

【歌うボイスロイドとは】
歌声合成ではないVOICEROIDを歌わせること

【歌わせ方】
原理(ピヨ式)としては、

1.VOICEROIDのしゃべらせるためにある自然な「抑揚」をゼロにする
2.音程は「高さ」で数値指定
3.リズムは「話速」で数値指定(超がんばる)

utabo01.png

だがしかしこれはかなり骨が折れる

ということで支援ツールがあります。それが「KotonoSync」

【KotonoSyncでの調声】

1.VOCALOIDなどでVSQXを作る
 お手本VSQXを作ります
2.VOICEROIDとKotonoSyncを立ち上げる
3.KotonoSyncにVSQXを読み込んで解析(変換ボタン押すだけ)
4.調声開始ボタンを押すと自動で力業な調整が始まる


完成

ちなみに、KotonoSync使う前にVOICEROID本体の設定をちょっといじる必要がある

・「マスター」→「文末ポーズ」を0にする
・「ツール」→「オプション」→「音声保存」→「一つのファイルに書き出す」にチェック
・「ツール」→「オプション」→「その他」→「メッセージ表示レベル」を「簡潔」にする

歌ボも普通の使い方もしてると割と忘れがち

「使わないならそれでもいいけどかなり後悔するはず」という代物

ベタ打ちはこれで完了

【歌うボイスロイドの調声】
ここまでではいわゆるベタ打ち状態。なので表情をつけるべく調声していきます

1.KotonoToneで整える
2.VocalShifterで編集


KotonoToneは歌ボの弱点「ロングトーン」を整えてくれるツールです
歌ボはロングトーンをやるとそこそこの割合でピロピロ言います。ループタイプのUTAUエンジンでうまくいかなかったときみたいな

それを解消してくれるツールです。UTAUの連続音の接続がうまくいってないとか、ループエンジンでピロピロ言うのを解消するのにも使えそう

これを使うかどうかで結構クオリティーに差が出る。

VocalShifterで表情つけて完成

【感想】
・合成結果はLaLaSongに似てると個人的には思う
・子音が明瞭で、超はきはきしている
・ツールを使えば別にそんなに苦労せずにできる(Alter/EgoやNakloidよりは楽だった)
・VOICEROID2でやると「喜び」で口角が上がり「悲しみ」で下がる感じに聞こえて表情豊か
・「悲しみ」大きめ、話速小さめだと語尾で息を抜くリリース(語尾息)になってよい
・「怒り」は常に上げとくと歌声として”比較的”芯を出すことができた
・編集次第で結構よくなるが、音質はどうしてもこれ以上にはならない
・二重母音や「ん」「っ」などいわゆる「特殊モーラ」の扱いが圧倒的にうまい
・音域は2オクターブ。よくあるボカロ曲をやろうと思うと結構これが効いてくる
弱化が激烈に自然。VOCALOIDの無声化、CeVIOの母音脱落とも違う感じ
・低音のほうが強い感じはする。音域外の高音はWAVES Tune LEで出した

話声合成特有の特殊モーラ・弱化の自然さはほかにない歌うボイスならではの強み


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複数ライブラリをブレンドする歌声合成 Cadencii&v.Connect-STAND

2018.04.24(19:28) 218

VOCALOIDには2つのライブラリ(音源)をシームレスにブレンドする機能「クロスシンセシス」があります

これは2014年にVOCALOID4が出たときに新しくできた機能ですが、複数のライブラリをシームレスにブレンドすることができる歌声合成はほかにもあります



BRIパラメーターを上下すると弱音源や強音源をブレンドできます

【Cadenciiとは】
タイトルには「Cadencii&v.Connect-STAND」と書いてあります。これは汎用歌声合成シーケンサーというべきソフトです

・VOCALOID1
・VOCALOID2
・UTAU
・Aquestone
・v.Connect-STAND

という様々な合成エンジンを操作できるのです

【v.Connect-STANDとは】
こちらは歌声合成エンジン

というわけでCadennciiとv.Connect-STANDは二つで一つなのです

【導入】
ここを参考にすればできるとは思います↓
http://hal-the-cat.music.coocan.jp/ritsu.html

【特徴】
基本的にVOCALOIDと似たような操作感ですがいくつか特徴があります

1.波形表示
合成した波形を見ることができます
実際に合成した波形を表示できるのはNakloidとCadenciiくらいですよね。

2.ライブラリのブレンド

弱音源から強音源まで変わり目を意識させずにブレンドさせることができます
VConnect02.png

エンジンがv.Connect-STANDになっていれば図のようにBRIパラメーターでブレンド率を変えることができます。合成結果を聞いてみましょう

弱音源から強音源へと推移していることがわかりますね

・ノイズがのることが多いですが、どこ由来のノイズかはわからないです
・動作がそこそこ安定しないですが、実行ファイルの位置を変えたら安定したりします
・UTAU音源を使うときにはUTAUプラグインを登録して使えます
・プラグインがうまく動かないと連続音エイリアス手打ちという苦行を強いられます

【音源制作】
CadenciiはUTAU音源も読み込めますが、上記のようなブレンド機能を使おうと思うとv.Connect用音源を生成する必要が出てきます。Cadencii&v.Connact-STAND用の音源制作過程はこう

1.UTAU音源を作る
2.形式変換する
3.ファイルを整備する

でCadenciiに登録すれば使える

作り方自体は【導入】のところで提示したリンクからツールを落とせばわかるので省きますが、そこそこ時間かかります。

NakloidもUTAU音源から変換して専用音源を作りますが、Cadennciiと比べるとちょっと差があります

Nakloid
・PMPファイルを新規に作って「追加」する
・UTAUからも使える

Cadencii
・VVDファイルに「変換」する
・UTAUでは使えない(元のファイルを置き換えるわけではないので大丈夫)

VVDに変換してしまうと原音設定がいじりにくくなるので注意です。


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Sinsyに外国語を歌ってもらおう

2018.04.13(19:09) 216

CeVIOにIA Englishが来そうだということで、同じくHMM系歌声合成であるSinsyで英語・中国語を歌ってもらおうということになったのでSinsyで外国語を歌わせる手順をまとめました。

【用意するもの】
・Musescore

楽譜作成のためのフリーソフトです。こちらから頑張ってインストールしてください。

【手順】
1.Musescoreで楽譜を作る
「新しいスコアを作成」してください。設定はやりたいようにしてOK。

テンプレート→General→楽器を選択してください→ボーカル→ボーカル→追加

とかとりあえずボーカル用・合唱用の楽譜になるようにしてください。

2.音符の入力
Nキーを押すとノート入力モードになります。頑張って楽譜を作りましょう。

3.歌詞の入力
もう一度Nキーを押してノート入力モードをオフにし、先頭のノートを選択してCTRL+Lキーを押すと歌詞入力モードになります。
Musescore.png

一つの音符に1シラブル入れるより一単語入れちゃって、あとからVocalShifterなどでピッチ書いたほうがよさそうです。

中国語は普通にピンインで入力。ただ、四声も入力しないとテキトーに発音しやがるのでちゃんと入力しましょう。
Musescore1.png

4.エクスポート
エクスポートでは、MuseXMLで書き出して拡張子を.xmlに書き換えます。
Musescore2.png

5.Sinsyにアップロード
英語なり中国語の音源を選んでアップロードして合成してダウンロードしてVocalShifterで調声してMIXして終了(いつも通り)

【合成結果】

英語


中国語


こう。


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その他歌声合成
  1. 文字で歌わせる歌声合成「MikoVoice」(05/19)
  2. VocalShifter・WAVESTuneLT・ABILITYのピッチ編集を比較してみた(05/15)
  3. 歌うボイスロイド(05/07)
  4. 複数ライブラリをブレンドする歌声合成 Cadencii&v.Connect-STAND(04/24)
  5. Sinsyに外国語を歌ってもらおう(04/13)
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