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大学ボカロ部勉強会のでき方

2019.03.29(10:28) 369

大学ボカロ部合同勉強会というのを、去年の12月初めに主催しました。そのときに実際にやったことを時系列でまとめておきますので、何かの参考になれば。

【準備段階】
1.企画立案
Twitterで「大学ボカロ部を集めて勉強会をしたい」という話をした。中身はさっぱり決まっていない

その後、何となく「登壇者が数人いて、講義+質疑応答形式の会にしよう」という構想を練った。

勉強会の形式としては

・講義形式:教えるほうと教わるほうが明確に分かれていて文字・音声で情報を伝える。情報伝達が一方的。すでに確立した情報や体系的知識を伝達するのに向いている。
・討論形式:ある議題について二つの立場に分かれて議論する。答えがまだ定まっていない、もしくは複数あり得るものに関して一応の結論を出すのに向いている。
・ワークショップ形式:実際に作業をして、その手法やコツを実践的に伝える。芸術・工業的な技能・知識の伝達に向いているが、予算と時間がかかる。
・グループディスカッション形式:ある議題について小規模なグループを複数作り、各グループで調査・議論を行う。答えが見つかっていない問題について複数の答えを導き出すのに向いている。教える側のコストは低いが、現場のコントロールは案外難しい

などいろいろあるが、今回は一番簡単なモノ。

2.目的設定
私の中では、早い段階で合同勉強会を開催する目的を設定していた。

・問題意識
大学ボカロ部はその継続年数が短く、また人数規模も少ないため、そもそも技術・文化の醸成が難しく、醸成したものの継承も上手にできない

・目標設定
複数の大学ボカロ部が合同で勉強会を行うことで、技術・文化を共有し、互いにフォローアップしたい。

こういう流れ。単独の団体では、初めてやることはノウハウがなくて難しいし、やってきたことが個人の力に依存していたりすると、その人が卒業したら次年度以降続行できなくなるということもあって、問題となっていた。

そこで、バーチャルライブ経験談体に話を聞くことで初めてバーチャルライブをするときの参考にしたり、全体に共有することで資料を残すこと・できる人を増やすことが文化・技術の継承につながったりしたら良いなという狙いを定めた。

今回はメインの目標ではなかったが、飲み会等での人間的な交流とは別に、勉強会を開くことで専門的な話のできる交流も欲しかったというのはあった。楽しいことに加えて真面目なのも欲しいということ。

3.大まかな時期設定(3か月前~)
各大学ごとにイベントがあってそれぞれ忙しいと思うので、その間を縫う時期を大まかに狙っていった。

10月11月は各大学の文化祭が多く開催されるし、年末年始は厳しい。2月末になると試験もあるので、今回は12月上旬ということになった。

4.会場募集(3か月前~)
実地開催+生放送を予定していたので、会場をとらねばならない。予算0・来場者数予測等からどこかの大学の会議室が良いだろうということになった。この時点で話にのってきている人々が関西勢だったため、大阪京都開催なのはほぼ確定だった。

大阪工業さんがいけそうだったので、会場手配を御願いしました。

5.登壇者・講座募集(3か月前~)
これがあつまらないと何も起きないので、これを募集。どうも「私が主催である」というところが心理的ハードルを押し上げていたっぽいので、フォローする。なんとなく講座内容の例を示したりしながら一応数人確保。

登壇者が大学ボカロ部員である必要は特にないが、その辺のこだわりは好きにすればOK。

保障として、突然のキャンセルなどがあった場合に備えて、私のほうで3講座ほど練っておきました。これで当日急に2人来れなくなってもつなぐことができるというリスク回避。

6.開催日時の推定(2か月前~)
講座の数から開催時間を推定。

会場から開演まで1時間ほど(準備・設営等の時間)
1講座45分+休憩・転換時間15分を想定
終演から退室まで1時間ほど(片付けの時間)

開錠→設営→開場→開演(オープニング)→講座1→講座2→中休み→講座3→講座4→終演(エンディング)→片付け→施錠

として合計6時間ほどと推定。1講座45分という数字は、過去の経験から「30分ではしゃべり切れないが、1時間喋るのは初めてプレゼンするには長すぎるだろう」ということで設定しました。

実際には1時間以上しゃべりたい人が多かったみたいなので、見直しも検討すべき。

逆に、30分でも長いという人向けに、時間調整用の短い発表(LT)枠を設けてもいいのかもしれない。もちろん、時間を均等に配分する必要は特にない。

日程は12月上旬ということでした。普通に授業があるので土日確定。

これでやっと会場を押さえるのに必要な情報がそろいました。

12月上旬の土日・6時間ほど。

これで問い合わせてもらいました。

7.会場確定・設備確認(会場確定次第)
開場が確定します。

会場の
・規模
・ネット環境
・飲食可否
・音響設備
・プロジェクター
等を確認し、ない場合は持っていきます。

これらはやりたいこと次第で必要なものが変わるはずなので、状況に応じて確認するべし。

プロジェクターは特にDVI接続なのかHDMI接続なのかとか、そういうところを確認しないと当日繋げなくて泣くことになる。

8.コンテンツ作成(1, 2か月前~)
もちろん早めからやっておいた方がいいが、発表のためのパワポ・台本を各自作成。

配信・投影の関係上、当日使うPCは1台だけで、発表者ごとに繋ぎなおしたりはしないため、パワポでデータを送るのではなくてPDF化して集めた。アニメーションはつけられないが、環境が違っても画面は崩れない。

各自発表練習をやって時間を測定しておいてもらうと、当日のリスケジュールがやりやすい。

9.来場者募集(2週間前~)
講座を聞く人を募集する。使ったのはツイプラ。これは会場がおさえられた瞬間にもう出していい。

もしくは企画が大まかに決まってから一度、来場者数推定のために事前に募集しておいて、それを参考に会場をおさえて、再度募集でもいいと思う。

募集範囲はボカロ部員・大学生・範囲指定なし等、勉強会のコンセプトにより決めよう。

10.事前打ち合わせ(1週間前ほど)
本番が近くなってきたら、音声通話で打ち合わせをします。打ち合わせといってもほぼ最終確認で、ここで新しく何かを決めるとかいうことはない。

11.事前告知生放送(前日・直前の休日)
本番が近くなってきたら、一般向けに生放送で内容説明を行う。やらなくてもいい。

ここまでが前準備。長い。

【当日】
ほぼ予定通りに進行。講座間の15分は私がコメントしたりなんだりでラジオ風につないだ。

生放送にはPCのプレゼン画面と音声のみが載る。

質疑応答は活発でとても良かった。生放送のコメントからの質問も随時拾っていこう。

時間には厳しく。定時に人が集まってなくても開始。話が終わってなくても講座は時間を過ぎれば終わる。遅刻等があるときのためにいつでも予定変更できるようにスタンバイをしておく等々、フレキシブルに対応する。

以上が今回の流れ。スケジューリングは「1か月締め切りが遅れても大丈夫」というくらい余裕をもって行うべし。

今回は保険に保険を重ねて、発表者確保→開場確保→来場者募集という風にしたが、「開催は確定している」という場合は開場確保→来場者募集→発表者確保でもいいかもしれない。

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春なのでボカロとか始めようぜ~金の話~

2019.03.29(08:02) 368

春ですね~新生活ですね~。何か始めるタイミングですね~ボカロとか始めよっかなぁ~

とか思っているそこのあなたに、ボカロとかを始めようと思ったときに必要なお金を一通りお教えしましょう。

・VOCALOIDを始める
VOCALOIDを買ってやりたいことによってお値段が変わります。

1.VOCALOIDオリジナル曲を作りたい
2.VOCALOIDカバー曲を作りたい
3.VOCALOID買って満足したい
4.推しVOCALOIDの運営に貢ぎたい

1.VOCALOIDオリジナル曲を作りたい
必要なモノ

VOCALOID Editor:VOCALOID音声を作るソフト
DAW:音楽制作ソフト(の総称)

最小構成はこれ。もし、使いたいキャラがいるとか、楽曲制作にこだわりたいとかいう場合は盛大に増える。

VOCALOID音源:7千円台~
エフェクト(バンドル):1万円台~
音源:ピンキリ
楽器:ピンキリ
制作用キーボード:1万円台~
音声系ハードウェア:無限に金かかる

とか。必要があれば導入。最初からないといけないものではない。

VOCALOID Editor:2.5万 or 4万
DAW:ピンキリ

というわけで、最低2.5万円

2.VOCALOIDカバー曲を作りたい。

最小構成はオリジナルと同じで、2.5万円。あとは

VOCALOID音源:7千円台~
エフェクト(バンドル):1万円台~
音声系ハードウェア:無限に金かかる

あたり

3.VOCALOID買って満足したい
7千円台~
買い物依存症の可能性も視野に入れよう。

4.推しVOCALOIDの運営に貢ぎたい
7千円台~

・CeVIOを始める
やりたいことにより結構複雑にお値段が変わります。

1.CeVIOをしゃべらせたい
2.CeVIOを歌わせたい
3.CeVIOを買って満足したい
4.推しCeVIOの運営に貢ぎたい

1.CeVIOをしゃべらせたい
CeVIOの「トークスターター」を買えばAllOK。8千円
キャラを追加したい場合は、1キャラ3千円とか5千円とかで単体購入が可能。
出来た音声は、動画編集ソフト・音声波形編集ソフト・DAW等で編集します。

2.CeVIOを歌わせたい
CeVIOの「ソングスターター」を買えばAllOK。8千円~
キャラを追加したい場合は1キャラ4千円とか8千円とかで単体購入が可能。
出来た音声は、動画編集ソフト・音声波形編集ソフト・DAW等で編集します。

実は、一番安く始める方法は「ソングエディター」5千円+「ハルオロイド・ミナミ」0円=5千円を購入することです。

3.4.略

・UTAUを始める
やりたいことにより広大な沼が広がります。

1.UTAUオリジナル・カバー曲が作りたい
2.UTAU音源収集がしたい
3.UTAU音源を作りたい

1.UTAUオリジナル・カバー曲が作りたい
UTAUエディター:無料~
UTAU音源:無料~
DAW:無料~
エフェクト:無料~
楽器類:無料~

というわけで、無料から始められます。ほしくなったら有料モノやハードウェアを買う。

2.UTAU音源収集がしたい
無料なので頑張って。

3.UTAU音源を作りたい
マイク:1万円~
オーディオインターフェース:1万円~
DAW:無料~

これがたぶん中堅

PC内蔵マイク・安ヘッドセットは音がこもりすぎた。測定してみると、高音域の減退が激しすぎる。
マイクの形をしたマイクなら、千円でもマシ。3千円でも困ったことはないし、4万円のマイクでも困ったことはない。この辺は好み。

オーディオインターフェースはPC-マイクコネクタ。マイクは普通PCに直差しできないので、コネクタを挟む。1万円台でかけらも問題ない。14万でもいいカンジ。1万円を切ったものは使ったことがないのでわからない。

他にも
・ポップガード
・リフレクションフィルター
・防音室……

とかやってたら金はいくらでも飛ばせる。


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歌声合成ソフトの数え方

2019.03.27(14:31) 367

私はよく「20以上の歌声合成を使う」って言ってたりしますが、これだけ多くなってくると、数え方によって数字が変わってくるものでして、ここで一度基準を明示しておこうかと思います。

【基準】
・エディター基準でカウント(ただしDAWは歌声合成エディターとみなさない)
・バージョン違いは同一視する
・プラットフォーム違いは同一視する
・スタンドアローン / プラグインの違いは同一視する

なお、「エディター」とは、ここでは「歌声を一部・または全部をコントロールするGUI」とします。

という感じ。

UTAUとUTAU-Synthは2カウントか1カウントか
エディター基準で数えれば2カウントだが、プラットフォーム違いは同一視するので、実際には1でカウントしています。

AquestoneとAquestone2は2カウントか1カウントか
別エディターなので、エディター基準で数えれば2カウントだが、バージョン違いは同一視するので、実際には1でカウントしています。

スタンドアローン版Alter/EgoとVST版Alter/Egoは2カウントか1カウントか
別エディターなので、エディター基準で数えれば2カウントだが、スタンドアローン / プラグインの違いは同一視するので、実際には1でカウントしています。

VOCALOID EditorとPiaproStudioは2カウントか1カウントか
エディターが違うので2カウントです。どう考えても1カウントでいいんですが、一応、販売元も名前も違うし、これのために附則を作るのも面倒なので2カウント。

SF2RenoidとRenoidPlayerはどうカウントするか
SF2Renoidはエディターを持たないのでカウントしません。RenoidPlayerは1カウント。
そもそも、SF2Renoidはエンジンも持ちません。

Cadenciiとv.Connect-STANDはどうカウントするか
Cadenciiはディターですので1カウント。v.Connect-STANDはエンジンですがエディターを持ちませんのでカウント外。Cadencii&v.Connect-STANDはまとめて1カウント

Aquestone on Cadenciiは?
v.Connect-STANDと違ってAquestoneはCadenciiに依存しなくても動くし、それ自体で簡単なエディターとなっているのでAquestoneを1カウント。

VOCALOID SDK for Unityは?
エディターを持たないのでカウント外。VOCALOIDのカウントとひとまとめにするのはアリ。

歌うボイスロイドは?
ボイスロイドエディターを1カウント

歌うCeVIOトークは?
ソングエディター・ソングトークエディターを持っていない場合に限り1カウント。ソングトークエディターを持っている場合はCeVIOソング・CeVIOトークが同一エディター上に載るので合わせて1カウント。

【まとめ】
私が事務的に数えたい場合の数え方なのでほかの人が縛られるわけではありません。


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カタカナ録音リストは読みやすいか

2019.03.23(12:40) 366

UTAUをやってない人に「UTAU音源になってみない?」って言って音源収録するときに、リストはカタカナのほうが読みやすいかもしれないという話を見たので、ちょっとやってみました。

【リストをカタカナにできるか】
世の中に一般的に広まっているリストはほぼすべてひらがなだと思うんですが、そもそもカタカナリストにはできるんでしょうか。

ポイントはこれくらい

・読みやすいか
・エイリアスの不都合が出ないか
・SetParamで自動推定できるか
・Moresamplerで自動設定できるか
・UTAU上で正常に動作するか

ざっとこれくらい。

これを今から実験してみます。

【カタカナリストの実験】
・リストの作り方
 ゼロから作るのはめんどいので、EXCELの関数でひらがな→カタカナ変換しました。

・読みやすいか
 ご覧ください。

どうすか

・エイリアスの不都合が出ないか
 鼻濁音の「ガ」と有声破裂音の「が」の区別が存在するので、出ないとは言えません。が、カタカナはOREMOのコメントに出せばいいだけなので、最終的にエイリアスの不都合は出ないと思います。

・SetParamで自動推定できるか
 とりあえず、ファイル名をカタカナにした音源を用意しました。
Katakane.png

これをSetParamに投げます。

結果:めっちゃ普通にできる

特に問題ありませんでした。

・Moresamplerで自動推定できるか
同じく、Moresamplerに投げます

結果:めっちゃふつうにできる

特に問題ありませんでした。

・UTAU上で正常に動作するか
しました。

【結論】
というわけで、カタカナリストは技術的な面ではほぼ問題ないが、一部エイリアス(ガ・ン)に不都合が出ることもあり得る。

カタカナのほうが読みやすい場合は、コメントで流せばいいんじゃないですかね。


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6種の歌声合成で『世界の真ん中を歩く』カバーを投稿しました。

2019.03.21(15:19) 365

こちらです。

【曲情報】
詩曲:夏代孝明
カバー:くろ州

卒業シーズンということもあっての選曲。私も卒業&就職が決まったので、これ以降の活動がどうなるかさっぱり見当がつかない。ヘタしたら最後の投稿になるかも。できる限り続けますが。

【メインボーカル】
VOCALOID:GUMI
 VOCALOID担当はV3GUMIのSweetです。後輩からのもらい物ですが、なかなか使いどころが見つけられずにいたので初登場です。息成分が結構強くてノイジーになりがち。町政がそこそこうまい人が使ってもいまいち上手に聞かせることが難しいので、個人的には調声難易度が高め。今回の曲調とはマッチしている。

UTAU:朱音イナリ
 UTAUの推し音源朱音イナリが復活です。最近はSharpkey版稲荷を使っていましたが、今回はSharpkeyの日本語音源が増えたこともあってUTAUに戻ってきました。Act2の標準音源を使っています。原音設定は適宜必要があれば直しました。SetParamを使うと反映が遅くなってしまうのでCTRL+Gの本体機能のほうで修正しました。

CeVIO:ONE
 CeVIO担当はONE。今持ってるCeVIO音源の中では断トツで使いやすい。今回は実はほぼ無調声に近い。無調声とはいってもVOCALOIDLikeなノート分割を行っている。メリスマノートを作ってCTRL+Rのショートカットキーを適用するとVOCALOIDよりもきれいにノート分割できるが、正直手間がかかるので手描きのほうが速い気はする。

Sinsy:f00005j
 Sinsy担当はいつも通りf00005j。立ち絵は前回同様きゃらふとで生成しています。低音が少し埋もれ気味だが、おおむね問題なし。今回も調声に使ったのはVocalShifterだが、WAVES TUNEを手に入れたので次回以降そっちを使うかもしれない。音質劣化が少なくなることが期待される。

Sharpkey:索韻リラ
 この前配布が開始された細心のSharpkey音源で、日本語と中国語の両方に対応しています。今回は普通に日本語音源を使った。日本語発音の甘さは確かにあるものの、相対的に見て日本語が上手なほうであったし、普通に使いやすい。Editorが新しくなったSharpkeyGalaxy-Editorのほうなので、調整パラメーターは少なく、Sharpkeyの強みは出し切れていない。

VOICEROID:琴葉茜
 今まで歌うボイスロイド担当は琴葉姉妹両方だったんですが、人数の関係上今回は茜のみの登場。葵はソロで動画いくつか出しているのでそちらで許してください。
 感情フェーダー全0でKotonoSync掛けたときの安定感がとても良くて、KotonoToneを掛ければオケが静かなところでも十分荒が目立たないレベルになるので、今回は攻めの配置。

【コール】
今回は種類少な目。

VOCALOID
 V3=IA kokone ずんこ
 V4=ミク リンレン ウナ VY1 ゆかり 洛天依 Daina
 V5=Ken Kaori Amy Chris

UTAU
 櫻花アリス 椎音あま 仄歌エリー 東北イタコ 東北きりたん 健音テイ 重音テト 雪歌ユフ 薪宮風季 松田っぽいよ 轟栄一

CeVIO
 IA EC ささら ハルオ

Sinsy
 香鈴 謡子 松尾P

SynthV
 ゲンブ えれのあ レンリ

Sharpkey
 幻晓伊 Kiana 元筱 莲华 勇气


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大学4年間を歌声合成基準で振り返ってみる

2019.03.18(23:11) 364

今回は歌声合成の話ではなく(もないが)、私の話です。もう卒業なので。

1年目(2015)
4月:大学入学 教育系です。
 この時点で、軽音サークルに入りました。軽音サークルには大きく分けてかっこいい系と頭おかしい系がありますが、私が入ったのは大学屈指で頭おかしいところだった(入った頃には気づいていなかった)
 このころはウインドシンセとか吹いてました。この時にいろいろネットで調べながらDTMの基礎知識を学びました。周りにDTMERいなかった。

それからしばらく普通に忙しく大学生活をスタートする。

10月:秋学期開始 パソコンサークルに入る
 とりあえず入りました。この年はほぼ何もしていない。
 実は、このタイミングでボカロ部があることに気づいたので、参加しようとアポを取ったのですが、その後連絡がなかったのでまだ入ってません。

11月:軽音のほうでステージに上がりました
 充実感はすごい。これくらいの時期にVOCALOID4結月ゆかりコンプリート(Editor付き)を買いました。Aspとか全く知らないので全然調声できなくてちょっと心折れかけてました。

3月:京都ボカロ合同に一般参加しました
 同人イベントに初めて行ったので勝手はわからなかったけど、楽しさはなんとなくわかった。何も買わなかったし、うちのボカロ部のブースは見落とした。

2年目(2016)
4月:やっとボカロ部に入る
 春の新歓でボカロ部に入りました。このころはまだボカロそんなに詳しくなくて「ボカロ部って言うんだから多分今の知識量で入ったら全然ついていけないんじゃないか?」とビビり散らした結果、とりあえず当時発売されていたボカロ全部覚えて、何となく有名どころの曲を聞いておいて、UTAU音源も初めて単独音を作ってみたりしました。結果、ボカロ部に入ってみると、そこまでガチじゃなかったッぽくて盛大に空回りしました。
 UTAUスターターパックをAmazonで買って、それを読みながらUTAUの基礎を学びました。UTAU音源を作ろうとなぜか思ってから、いろいろ検索しているとこの本にたどり着いたので、それ以降はもうほぼすべてこの本で勉強しました。UTAUは高校3年の受験終わったくらいにちょっと触って全く意味わからずに挫折して投げていたので、このときが2度目の挑戦です。

6月:世界VOCALOID大会に応募
 今思うとかなり無謀ですが、世界VOCALOID大会というのがあると知ったので、企画を出しました。「知った→やる」という短絡さが私の売りの一つ。ボカロ部のほうでも参加者を募ったのですが、いまいち興味を持つ人がいなかったので、単身乗り込みです。とりあえずUTAU企画を練ってとりあえず出しました。UTAUの人々は急に謎の人物「くろ州(大学ボカロ部)」がUTAU企画出してきて盛大にビビったことでしょう。
 このころから大学を盛大にさぼりがちになります。週5で1日4時間スーパーで働きました。結果そこそこ稼ぎましたが、単位はほぼすべて落としました。
 夏休みは大会の準備と打ち合わせの日々です。パワポ作って、音声作って。サークルの人に向けて模擬講座やって時間調整したりもしました。
 「企画を出すのに動画を全く出してないのってどうなの?」と思ったので、本番の数日前にニコ動に初めて動画投稿をしました。このころちょうどVOCALOID4がアップデートして、別々のキャラの間でクロスシンセシスできるようになったので、それで遊んだ動画を出しました。このころには多少VOCALOID調声もできるようになっていた。

9月:このブログが始まる
 最初はこんなにちゃんと続くとは思ってなかったです。このころはVOCALOID・UTAU・CeVIO以外の歌声合成もほとんど知らなかったので、別に書くこともないと思ってました。
 ボカロ部のほうではオリジナルのUTAU音源「会長ロイド」「Marine」を作成しました。6月ごろから録音を開始して8月ごろに配布動画を出しました。3月末から始めたUTAU音源制作ですが、このころにはCVVC切り出し済み連続音を作れるようになっていました。
 CeVIOを触りだしたのもこのころだったっポイです。このころいろいろありすぎて記憶が混濁しています。ダウンロード版のささらトーク&ソングスターターと、ONEを導入したようです。実は高校のときにFree版のCeVIOでトーク機能を使って遊んでたりもするので、実は最も長く使っているのはCeVIOだったりします。高校の終わりごろはフリーソフトをひたすら集めるのがシュミだったんですが、UTAUやCeVIOはフリーソフトの一ジャンルとして収集していたにすぎませんでした。
 初めて「その他歌声合成」の記事を書いたのが9月の18日だそうです。最初に出した記事ではAquestone2を取り上げています。

10月末:世界VOCALOID大会に出場
 大きめのイベントです。1日目は普通に盛大に楽しみました。部屋がデルタさんと同じでびっくりしました。「え? デルタさんてあのデルタさん!?」と。UTAU技術系の話でよく聞くあの有名な!?
 2日目の午前中が企画本番です。UTAU音源制作の基本的なところをまとめた企画だったんですが、UTAUの人だけでなくVOCCALOIDやSinsyの人々もいて人が会場にあふれるくらいだったのがとても良かったです。私が今こうして活動しているのも、この企画をきっかけとしてできた知識と人脈のおかげな部分がかなり大きいです。これやってなかったらたぶん今こんなに派手に活動していない。
 実はこの企画とほぼ同じ時間帯にボカロ部の作ったCDも頒布ブースのほうで頒布していました。無名の私がある程度の立場の安定性をアピールするために、ボカロ部の名前を借りる代わりにCD頒布をやることになったのです。一人で参加しているので、そっちの管理もすべて自分でやってます。気づいてないけどいつの間にか二人に分裂してたかもしれない。
 ブログの更新とTwitterでの発言はここを皮切りに多くなっていきます。それまではTwitterの楽しささっぱりわかってなかったので、一応アカウントは作っていたけど全く動かしていませんでした。

11月初め:早稲田ボカロ部突撃・楽器フェアに一般参加
 大学ボカロ部同士の交流はここから始まっていきました。世界大会に出た後、楽器フェア(後述)に参加するまでにちょっと余裕があったので、早稲田大学にあるボーカロイドファンクラブさんにアポを取って非公式交流をやりました。意見交換や愚痴の言い合いなど、楽しくお話しました。
 日本中から最新の楽器類が集まる「楽器フェア」というイベントがビックサイトであったので、参加しました。ありとあらゆる触ってもいい楽器を演奏しつくしました。迷惑だったのかもしれない。演奏した楽器はすべてレビューを「楽器タグ」で載せてあるので興味があったら見てください。10月5日に30回ブログ更新していますが、おそらくこれが今までで最も高頻度で更新した日ですね。

11月:初音ミクV4Xを買ったみたいです
 それまでにVY1を1月、鏡音V4Xを夏休み明け、kokoneがいつか忘れたくらいを買ってます。
 ミクを買って最初に投稿した動画は性転換亜種のミクオカバーでした。ここからVOCALOID性転換亜種の活動を始めます。それまでもやってはいたんですが、ここへ来てやっと投稿できるだけのクオリティーが出せるようになってきたのです。
 文化祭では軽音のほうで演奏したり、ボカロ部としてCDのマスタリングをしたりしてました。

12月:UTAU勉強会講師の話をいただく
 世界大会のおかげで、UTAU勉強会で講師役をしないかというお話をいただきました。

 このころは中の人のいないUTAU音源を錬成したりIRリバーブ用のIRデータを録ったりいろいろマッドな活動をしていました。マッドマッド言われてたのももう懐かしい話です。

2017年2月:Sharpkeyと出会う
 今ではすっかり日本のSharpkeyの人みたいになってますが、Sharpkeyを知ったのはこの時が初めて。リリース自体は9月ごろだったので数か月遅れで気づいてます。その他歌声合成の活動を活発に始めたのはこの辺からです。
 ただ、ここからしばらくブログの更新頻度は結構下がっています。たぶん普通にカバー曲を作って投稿するのが忙しかったからとかそういう理由だと思います。そんななかでも、発音や音素の話をたくさんしたり、UTAU向けの様々な素材を配布するようになってきました。

3年目(2017年)
 このころにはすっかり波に乗っています。UTAUオフ会で大阪に行った日にちょうど大阪市立大のボカロ部さんが学校のイベントに参加していたので顔を出したりしてました。北大ボカロ部さんもこのころに会ってます。
 ボカロ部での役職がないからこそめちゃくちゃ自由に活動できていたんですが、とうとうここで役職を持たされてしまいました。ゆうても補佐役だったので、有能な後輩君に丸投げしてました。

8月:UTAU録音リストを配布
 しました。あと、SinsyやRenoidも触り始めました。
 このころは、翌月に控えたUTAU勉強会の準備に追われていました。資料作成やボカロ部向け講座でのデモンストレーションなどいろいろやりながら。

9月:UTAUイベント・AVAさん突撃
 UTAU勉強会で講師として30分の超高速UTAU入門講座やりました。その時のPDFは今でもTwitterで探せば出てきます。動画付き。生放送講座にもかかわらず「一時停止推奨」レベルのスピード感。
 勉強会の翌日は君UTAの運営を臨時でお手伝いしました。運営側初挑戦です。設営をした後はサークル受付に座ってたんですが、UTAUの有名人が私をめがけて近寄ってくるのとても気分が良かったですね。サークル受付なので私めがけてじゃなくて受け付けめがけてですけどね。ちなみにこの時に頼まれたお使いの代金(300円行かないくらい)請求し忘れっぱなしです。
 この数日間は東京にいることがあらかじめわかっていたので、そこを狙ってVOCALOID LUMiを販売するAVAさんの事務所にアポを取ってお話しに行きました。ちょうどUTAUイベントとかボカロ部活動の後だったのでそこら辺の話を中心に、LUMiの規約がどうのとかそういうタイムリーな話題で盛り上がりました。

11月:UTAUを使う音楽の先生に突撃
 UTAUを使って授業を行う音楽科の先生がいるらしいということでお話しに行きました。日本の音楽教育とICTみたいな話もしながら、先生と出身地が町レベルで同じだったことが判明したりして楽しかったです。

 ここからはしばらくUTAUとSharpkey中心で活動していたみたいですね。その他歌声合成の記事も一気に増えてきていよいよ今の活動内容に近くなってきました。
 「大学ボカロ部事情2017」という記事を出して、そこそこウケました。

3月:CeVIO FeSTAにサークル参加
 サークル参加は初めてです。一般→運営(仮)→サークルという順番でイベントに参加することになったので、当日の動きが完璧にわかった状態で動くことができたのはとても良かった。後輩たちと作ったCeVIO中心のDVDは割と早い段階で売り切れてくれて、売り上げでしゃぶしゃぶ喰いました。ありがとうございます。スケジュールも常に数か月余裕がある状態をキープできたのでマジ有能。

4年目(2018年)
 大学院に行く気満々だったので、就活なんざさぁーーっぱりやらないまま4年生になりました。

4月末・5月:UTAU用録音リスト「36モーラリスト」を出す
 UTAU界隈でちょっとしたムーブメントを起こした36モーラリストはここで登場します。もっと前からリスト自体はなんとなく考えてたんですが、ちょっと話題を出したらウケが良かったのでリリースしました。人体に悪影響を及ぼすレベルのリストなのに関わらず、UTAUの人々は目を輝かせて挑戦して来るのでヤベェと思いました。
 VTuberが年末ごろから日の目を浴びるようになってきたのでそういうところに向けた記事も増えてきます。

5月末・6月:大学ボカロ部が急増する
 なぜか大学ボカロ部が一気に増えだしました。大学ボカロ部事情の記事も見てもらえて、参考になったなら良かったです。2016年の秋に私が歩き出してから、だんだん大学ボカロ部が増えて、つながって、大きくなっていくのはちょっと意外な展開でした。こんなに増えてつながるとは思ってなかった。大きくなっていった部分に関しては私の活動ではないですが、ちょっと親みたいな面をしてしまいます。

9月:VR関連記事連投
 VR関連が盛り上がってきてフリーソフトもそれなりに出てきていたのですが、あまりにもドキュメントがなく、欲しい情報が見つからなかったので、12時間書き続けて一気に10以上の記事をUPしました。機材はパソコンサークルの設備です。伏線回収。

9月末:Sharpkey用音源「稲荷(Inari)」を公開
 何か月かかけて制作を指揮していたSharpkey版イナリが完成しました。日中の人々と協力しながらときには日本語、ときには英語、そしてほんのちょっとの中国語を使うようになり、そこそこ鍛えられました。割と精神を削りながらやりましたが、達成感は大きい。

 学校のほうはというと、着々と卒論を進めつつ、ここで急に進路転換をして、やっと就活を始めます。就活始めるといっても、ESを2件送っただけで、面接対策も企業調査も一切やりませんでした。乗り遅れが半端じゃない。しばらくは面接や実技試験をうけてました。歌声合成の活動をしててよかったと思うのは、すでにいろんな偉い人々と対談したり壇上で講演をしたり、こうして記事を書いたりしていたので、面接でかけらも緊張せずに済み、実技試験も素で受けて一応の技能はクリアできたことでしょうか。

11月:コラボ放送
 大学ボカロ部座談会でしゃべったり、VTuberさんとコラボしたりと、よくいろんな人としゃべるようになります。
 最後の文化祭もいつも通り、軽音で演奏し、パソコンサークルでVRセッティングをし、ボカロ部でだべるだけ。一番落ち着いてたかもしれません。

12月:大学ボカロ部合同勉強会
 集大成というわけでもないですが、全国の(主に関西の)大学ボカロ部を集めて合同で勉強会をやりました。くろ州初の主催です。できて日の浅いボカロ部をフォローアップし、界隈の維持・活性化につながったのなら良かったです。

 その後、歌声合成総合ブログになったこのサイトでトピックを拾いつつ過ごしていましたが、2月12日になってやっと就職先が決まりました。編集記者です。これまでの経験がとても役に立ちました。そして、卒業が決まったのが3月8日。これでもう完璧に進路を決めることができました。急いで契約変更したり部屋探したり引っ越し準備したりしている最中です。

 こうしてみてみると、結構余裕をもって大学生活を送りながら、いろんな分野でいろいろなことをやりすぎて、今こうやってまとめようと思ってもまとめきれません。雑多ですね。

 最もありがたいポイントは「人に恵まれた」というところでしょうか。世界大会や勉強会をはじめとしたイベントでの縁と、全国のボカロ部での縁。きれいごとではなく、実感として強くあります。歩き回った甲斐がありました。おかげさまで充実した大学生活も終わり、春からは東京で新社会人を始めます。うまくいくかはまだわからないですが、これからも応援御願い申し上げます。


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UTAU式歌うボイスロイドを連続音でやってみたい

2019.03.18(02:26) 363

「UTAU式人力」というジャンルがあります。アニメやゲームやの声優さんの声を録音して、UTAU音源化して歌わせるものですね。

「UTAU式歌うボイスロイド」ならVOICEROIDの音声を録音してきてUTAU音源化すればいいわけですね。

ただ、せっかくほしい音素を的確に録れるんですから、人力よりも都合のいいやり方でやりたい。
単独音音源にしても面白くないので連続音音源にしてしまいましょう。

というわけで、やってみました。

比較的歌ボの民向けの文章です。

【概要】
UTAU式歌うボイスロイド(連続音)に挑戦

【方法】
0.UTAU用の録音リストをVSQXにする
1.それをKotonoSyncでボイロに歌わせる
2.KotonoToneで音声をなだめる
3.UTAU音源として原音設定

UTAUも歌ボも知っている人はなんとなくわかるかもしれませんが、ヒクほど時間がかかります。

【やってみよう】
0.UTAU用の録音リストをVSQXにする
まずは、下準備として録音リストをVSQXにします。

UTAU音源制作では、「録音リスト」を中の人がひたすら読んで録音します。これを今回はVOICEROIDにやってもらいます。

今回の録音リストはくろ州式8モーラ連続音。特に意味はありません。

連続音なので、最終的にできる音声ファイルは150個以上で、文字数は1000以上です。

連続音というのは「あ」とか「か」とかを単体で録って音源にするのではなく、「ああんいあうあ」「かかんきかくか」と、ある程度の文字列にすることで合成結果を滑らかにする手法・音源形式の名前ですね。

これをVOICEROIDが歌えるようにまずVSQXにします。

普通にVOCALOIDでノートを打って、歌詞を流し込みするだけです。コピペとメモ帳の変換機能だけでできるのでここは秒で終わる。

1.KotonoSyncでボイロに歌わせる
出来たVSQXをKotonoSyncに読ませてVOICEROID調整をします。

VSQXは前半と後半に分かれました。あまりに長かったので。それぞれ700近いノートが並んでいます。

これを自動調整したところ、なんと、一つ3分ほどで終わりました。

音程変化は一切なく、ノートの長さもほぼ一定だったのが効いてるのかも?

調整終了したら1文ごとに区切って複数ファイルに書き出します。

いらないファイルを全消しして、リネームソフトでファイル名を「録音リストのラベル」に変えます。

書き出した直後は

temp1.wav
temp2.wav
temp3.wav
……

ということになっていると思いますが、これを

_ああんいあうあい.wav
_いいんういえいう.wav
_ううんえうおうえ.wav
……

に変えます。これは必須。ただ、リストは最初からTXTファイルとして存在するので、リネームソフトを使えばこれも秒で終わる作業です。私は「LiName」というフリーソフトがEXCELと併用すると一番簡単だと思いました。

2.KotonoToneで音声をなだめる
繰り返し感がヤバイ箇所をKotonoToneで綺麗にします。早い段階でやっておかないとUTAUで合成したときに音声が変になるのでまず最初にやります。

なんつってもファイルが150以上あるのでこれがヒクほどかかります。

ほぼすべて(=1000以上)のノートでKotonoToneかけないとだめです。一つのノートの継続時間が0.4秒ほどと長いので。

3.原音設定
UTAU音源を「正しいタイミングで正しく歌わせる」ための作業が原音設定です。

歌ボの場合、音声はほぼ正しいタイミングで保存できているので、あとはツールのほうで自動設定すれば大体大きな破綻はしません。

とはいえ秒では終わらないので、しばらく作業します。

これでUTAU式歌うボイスロイドの連続音音源が完成しました。1音階だけ。

音域を広げようと思うならこれをあと2セット以上やる必要があります。
感情別に音源を作り分けるならその4倍かかりますね!

歌わせるのはもう簡単。ピッチもタイミングもUTAUのほうで自由自在です。

連続音であれば滑らかさも普通に担保できますが、歌うボイスロイドの超いいポイントである「無声化」がほぼ使えません。

用意すればもちろん使えますが、量が本当にえぐいのでマジでやりたくない。しかも、これに関してはたぶんVOICEROIDのエディターのほうがよっぽど得意だと思うので、必要ならその都度作るのがいいのかもしれない。

ヒクほど長いのは確かだけど、私が想像していたほどは長くなかった。


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超雑にパソコンの性能を調べる

2019.03.18(01:30) 362

歌声合成ソフトを触って遊んでる人々の中には、プログラミングができたりPC自作したりとパソコンに強めの人々も多い印象ですが、「しぃぴぃゆぅ?」みたいな人もいるらしいことが私の体感調査によって明らかになっています。

パソコンの性能は

・使いたいソフトが動くか
・動作が安定するか

とか、快適に使えるかどうかを判断するための重大な要素なので、一度押さえておきましょう。

私はWindowsユーザーなので、詳しい解説はすべてWin向け。

【OS】
OSは「自分のPCがWindowsなのかMacなのか」だけ知ってればOK。画面や本体のどこかに林檎マークがあれば大体Macで、それ以外は大体Windows。

多くの歌声合成はWinのみ対応なので、Mac信者であればブートキャンプやWineやらで頑張るかあきらめるしかない。

逆にMac専用歌声合成であれば、Winの人はあきらめるしかない。

Linux系の人はたぶんPC強いのでこの記事要らない。

【CPU】
CPUは実際に作業をする部品。パソコンの脳。脳が良ければもちろん性能も良いことが多い。

・調べ方
画面左下のWindowsマークを右クリックして「システム(Y)」を押すと画面が表示される。
PC01.png

これの、「プロセッサ」に書いてあるのがCPUの性能。

数字が大きければ大きいほど強い

VOCALOIDやCeVIOのページには「動作環境」というのが書いてあって、そこに書いてるよりも数字が大きければおおむね動くということになっている。

例えばCeVIOは「Core i3以上を推奨」って言ってる。↑の画像ではCore(TM)i5と書いてあってCore i3より数字が大きいので動きそうだということが何となくわかる。

IntelなのかAMDなのかは一応チェックしておこう。Intelじゃないと怪しいよって言われることもたまにある。

【RAM】
歌声合成ソフトの動作環境のところやPC詳しい人が「メモリ」って言ったら大体これ。作業中の情報を簡単に覚えておく部品。

買い物に行くときに「今日買うものはジャガイモと牛肉と人参」とかそういうちょっとしたことを覚えるところ。その瞬間だけパッと覚えていれば良いものを覚えておくのがRAM。

↑の画像では「実装RAM」って書いてあるところで性能がわかる。これも数字が大きければ大きいほど良い。

例えば、VOCALOID5の動作環境では「必要メモリー」の項目に「8 GB 以上 推奨 (最低 4 GB)」と書いてある。↑の画像では12GBと書いてあるので動きそうだということが判る。

たいてい8GBあれば歌声合成ソフトは大体動く。

【ドライブ】
HDD(ハードディスクドライブ)とかSSD(ソリッドステートドライブ)とかいう表記が多い。記憶しまくる部品。

事務デスクの右下に書類を入れておく深めの引き出しがあることが多いと思いますけど、あれが記憶ドライブ。長期的に保存しておかないといけないようなことを覚えておくのが役割。

これも数字が大きいほうが良い。

HDDが良いかSSDがよいかは人によっていうことが違うけど、「SSDのほうが速くて静かで値段が高い。HDDのほうが安くて記憶できる量が超でかい」というのはなんとなく覚えておけばOK。

他にも壊れたらよりヤベェのがSSD、パソコンの向きを変えたときに音が飛ぶのがHDDとかいろいろあったりはする。

【ディスプレイ】
画面のこと。

ディスプレイのインチとかセンチとかはソフトにはほぼ関係ない。

デスクトップの何もないところで右クリックして「ディスプレイ設定(D)」から確認できる。
PC02.png

解像度のところ。「(推奨)」って書いてあるところが大きければOK。1920×1080ならまず問題ないけど、それ以下だと、ソフトが見切れちゃって操作できなかったり、画面が汚かったりボタンでかすぎて作業しにくかったりする。

【GPU】
グラフィック専用CPU的なモノ。歌声合成するだけなら別に気にしなくてもいいけど、動画作成や3D関連のことをしようとするとちょっと考えたほうがいい。

このブログは歌声合成ブログなので深堀はしない。数字が大きければたぶん大体OK。

【まとめ】
CPUが考えるとこ
RAMがちょっとしたことを覚えておくところ
ドライブがしばらく覚えとくべきことを覚えておくところ

この3つの数字をチェックしておけばおおむね大丈夫な感じはする。歌声合成であれば。


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1万円を切るオーディオ編集ソフト「ReSample」使ってみた

2019.03.16(09:58) 361

世の中にはAdobe AuditionやRXシリーズ等、音声を編集加工修正するソフトがあります。こういうソフトはそれなりのことをしようとするとそれなりに高価になるわけですが、1万円を切る奴を見つけました。「ReSample」です。
RS01.png

ぽいでしょ?

【販売ページ】
この界隈では有名なPluginBoutiqueで販売されています。海外サイトなので支払い方法はちょっと気をつけよう。


体験版(25日間)があるので、動作確認や品質をあらかじめ試しておきましょう。

【見た目】
こういう系ソフトの中では比較的見やすいほう?かも。機能もそこそこ絞られていて初心者向き感ある。
RS02.png

①ファイルエリア:読み込んだファイルの情報が書いてあるだけ
②音声表示エリア:波形やスペクトログラムを表示している
③トランスポート・基本エフェクトエリア:そのまんま

②で波形を見ながら、③やメニューバーから編集していくスタイル。

最初に、メニューバーの「View→Show Spectrogram」でスペクトログラムを出しておくと気分が良い。

【できること】
まずは音声表示エリアにあるエフェクトから。基本的に、

1.エフェクトを掛けたいところを選択
2.エフェクトを指定
3.実行(Apply)する

の順番で作業していく

・Fade
フェードインフェードアウトができる。以上。フェードのカーブは自分で作れて、保存もできる。ほかのエフェクト類も、同じくいくつかプリセットがあるし、自分でも作れる。
RS03.png

・Equalizer
イコライザー。ローカット・ハイカット・ローシェルフ・ハイシェルフ+5バンドなので、とりあえず困ることはなさそう。これで困るんだったらソースが悪い。一応、二度掛けも可能。

リアルタイムにスペクトラムを見ながら調節できるのが良いところ。

・Spectrum
リアルタイムにスペクトルを表示する。以上。

・Noise Reduction
恒常性のノイズ(ヒスノイズやエアコンのノイズ)を消します。

 1.ノイズのみの部分を選択
 2.「Noise Reduction」ポチー
 3.でできたウィンドウの左上の
   「Estimate Noise Profile」ボタンをポチー
 4.ウィンドウを消さずに音声を全選択
 5.ウィンドウのほうでApplyをポチれば

ノイズが消えます。基本何もいじらなくてもいいカンジに減らしてくれるけど、基本の設定4フェーダに加えて、アドバンスドボタンを押せば詳細設定4フェーダが設定可能なので、音質はいろいろいじりながら試行錯誤しましょう。

処理は特に遅くないです。

「風呂で扇風機をつけたままハムノイズ載りやすいようにして安いダイナミック(2000円)を手持ちで録音」までした音声をでノイズするとさすがに結構こもったけど、エアコン消してフツーにコンデンサー録りの音源であれば特に劣化もなくノイズ除去できた。

・Time and Pitch
速さと音程を変更できます。

速さ:1/10~10倍
音程:1/4~2倍

音はそこそこ変わる。なんか丸く?なる。いかにも合成した感。

・Vocal Removal
MIX済みの楽曲からボーカルを消したり抜き出したりできる。
RS04.png

 1.曲を全選択して「Vocal Removal」ボタンをポチー
 2.ボーカルの定位と帯域を指定
 3.Apply

これだけで除去・抜き出しができます。

これだけ見ると、この定位のこの帯域をただ抜いているように思えるけど、実際の処理はもっと複雑らしく、ボーカル除去の結果は残響は残るものの、大体ちゃんとボーカルだけ消えていた。

逆にボーカル抜き出しもそこそこできていたけど、こっちはアラが目立つ。オケのほうはReMixに仕えるけどボーカルのほうはちょっとという感じ。

・Reverb
リバーブ。機能は多くない。

・MB Compresser
マルチバンドコンプ。可変4バンド。普通。

続いて、メニューからできる編集。

サンプルレート・デプスコンバージョン:音質を変えられる
ノーマライズ:最大までノーマライズ(手加減を知らない)
ジェネレートノイズ:ホワイト・ピンクノイズを挿入
アンプリフィケイション:音量を変えられる
コンプレッサー:普通のコンプ
リミッター:普通のリミッター
エンジニアリングフィルター:普通ではないけどフィルター
コーラス:普通のコーラス
フェイザー:普通のフェイザー
ディレイ:普通のディレイ
ステレオエンハンサー:モノラル音声に掛けても意味ない
ピッチコレクション:何となく音程補正する。ケロケロではない
ディエッサー:ちょっと細かいディエッサー
ドップラーエフェクト:使いどころがわからない
オシロスコープ:リアルタイムに波形を表示する
フェイズスコープ:ステレオビジュアライザー
ラウドネスメーター:ピークのほかにLUFSとかも出してくれる

その他、外部VSTを入れることもできるらしい。

【良いポイント】
・波形やスペクトルを見ながら編集できる
・操作が簡単で見やすい ※個人の以下略
・コンプ等のアタック設定をマジの0msにできる

【よろしくないポイント】
・オートメーションは描けない(でもこれは普通のこと)
・ピッチいじる系のエフェクトで変質が激しい
・メッサ細かいことはできない

個人的には3千円~5千円くらいのクオリティーかなーとか思った。

宅録でちょっと恒常ノイズが載るのを消したいとか、カラオケするのにちょっとボーカルを消したいとか、そういう場合に、RXは高すぎるしAdobe税を払うのはもったいないということなら、簡単だし試してみてもよいのかも。

もっと細かくノイズを消したい(なお金はない)ということであればISSEのほうが適任。


ReSampleは数クリックで自動で簡単に
ISSEはちまちまグラフィックに細かく

という感じ。


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歌声合成と「WAVES VOCAL」

2019.03.16(02:00) 360

収入があったので設備投資しました。今回導入したのはWAVESのエフェクトバンドル「WAVES VOCAL」です。

【概要】
WAVES VOCALには以下のプラグインが入っている

R-Channel:チャンネルストリップ
R-Axx:コンプレッサー
R-DeEsser:ディエッサー
Doubler:ダブラー
DeBreath:ブレスカット
TUNE / TUNE Lite:ピッチ補正

ボーカルを処理するのに必要な基本のエフェクトがそろってます。
過激な味付けはできないけど、基本処理はほぼすべてできるくらいのもの。

歌ってみたとか歌声合成カバー曲をやるだけならこれ+リバーブ+マスター用コンプ+リミッターが欲しい。

私はTUNEが欲しかったので、それだけのために買いました(TUNE単体で買うよりもセットのほうが安い)

【解説】
・R-Channel
チャンネルストリップといって、マジの基本処理をするエフェクトが一つにまとまったもの。
これ一つの中にコンプレッサー・イコライザー・ゲートが入っているので、これ一個させばもうボーカルのMIXは終わりに近い。ごちゃごちゃしてるのでちょっと見にくい。

・R-Axx
コンプレッサー。です。めっさシンプルで見やすい。

・R-DeEsser
ディエッサーです。サ行やシャ行などの耳に痛い子音をピンポイントで削るエフェクト。必要ならかける。

・Doubler
ダブラー。1人しかいないボーカルを複製して厚みを出すエフェクト。ボーカル真ん中にしかいない感がすごい時にこれで幅を広げたりもする。

実はショートディレイにもなるし、コーラスにもなるし、ちょっとしたリバーブにもなる。頭を使えばフェイザーにもなるぞ。

隠しテクとして、ボーカルを奥に移動させたり、グロウルさせたりすることまでできたりする。普通やらないけど。

・DeBreath
ブレス・息継ぎを消すことができる。逆にブレスだけ切り取ることも可能。SinsyやCeVIOなどの自動で息継ぎする歌声合成で試してみたところ、気になるところでちゃんと消してくれる。

SinsyやCeVIOのブレスは小さいので、DeBreathで抜き出して音を大きくしてまたくっつけるとかするとよいこともあるかも。

・TUNE / TUNE Lite
TUNEはピッチ補正ソフト。音痴を修正したりケロケロボイスにしたりできる。Liteのほうが機能が少ない。

TUNEの方なら補正だけでなくピッチを手描きして調声することもできるし、ビブラートも作れる。
メロダインやオートチューンより安いのが良いポイント。ただ画面がちっちゃい。

VocalShifterより劣化が少ないけど、タイミング調声はできない。

【歌声合成での使いどころ】
正直、歌声合成で活躍するのはTUNEくらいかと思う。Sinsyや歌うボイスロイドをはじめとする「その他歌声合成」を調声するときにあると重宝する。

機能的にはVocalShifterのピッチコントロールと大体同じだけど、劣化が少ないのが強い。

あとは、ダブラーで簡易グロウルが作れるくらいかな?

【導入の決め手】
おそらく、DAW標準でもコンプ・EQくらいはついているだろうので、これを導入する目的はディエッサー・デブレス・チューンが欲しいかどうかによる。

2万円出してもっといっぱいエフェクトが入っているGoldバンドルを買えばいいとは思う。ただ、Goldバンドルにもデブレス・チューンは入ってないので、やっぱりこれが欲しいならVocalバンドルを買うのが良い。


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2019年03月
  1. 大学ボカロ部勉強会のでき方(03/29)
  2. 春なのでボカロとか始めようぜ~金の話~(03/29)
  3. 歌声合成ソフトの数え方(03/27)
  4. カタカナ録音リストは読みやすいか(03/23)
  5. 6種の歌声合成で『世界の真ん中を歩く』カバーを投稿しました。(03/21)
  6. 大学4年間を歌声合成基準で振り返ってみる(03/18)
  7. UTAU式歌うボイスロイドを連続音でやってみたい(03/18)
  8. 超雑にパソコンの性能を調べる(03/18)
  9. 1万円を切るオーディオ編集ソフト「ReSample」使ってみた(03/16)
  10. 歌声合成と「WAVES VOCAL」(03/16)
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