初音ミクが世界に現れて早10年。全国の大学でボカロ部や同好会ができては消えできては消えを繰り返してきました。
そんな中、現在活動していることを私が認知出来ている4つの団体とそれぞれ対談することができたのでその内容をざっくりとまとめたいと思います。
この記事に出てくる団体は
・大阪市立大学ボカロ部さん
・同志社大学VOCALOID研究会Arpeggioさん
・北海道大学ボーカロイド同好会さん
・早稲田大学VOCALOIDファンクラブさん
です(50音順)。
【基本情報】
・大阪市立大学ボカロ部
所在:大阪
人数:約20人
部費:無し
年数:2017年時点で4年目
部長:創始者
部室:無し
補助金:無し
特徴:攻める広報によって広報力が高い
外部にも公開されるプロジェクションライブが目玉企画
かなりアットホームに自由に活動
モーションキャプチャーも使ったMMDが活発な印象
クリプトンの割合が高め?
・同志社大学VOCALOID研究会Arpeggio
所在:京都
人数:約50人
部費:500円
年数:2017年時点で7年目
部長:6代目
部室:無し
補助金:無し
特徴:作曲、演奏してみた、イラスト、踊ってみた、歌ってみたなど活動は多岐にわたる
関西ボーパラでのCD頒布やバンド、ダンスステージが公開された活動
月1回の総会と週1、2回の昼食会が日常の活動
同志社以外の学生も入会可能
・北海道大学ボーカロイド同好会
所在:札幌
人数:約30人
部費:無し
年数:2017年時点で2年目
部長:創始者
部室:無し
補助金:無し
特徴:去年できた比較的新しい団体
日々の活動は週1回3時間ほどの集まり(布教会)
ボーカロイドの趣味を共有し摂取する
クリプトンさんと何かしたり、雪まつりに出店したら目玉になるのでは|д゚)チラ
・早稲田大学VOCALOIDファンクラブ
所在:東京
人数:約90人
部費:500円
年数:2017年時点で4年目
部長:2代目
部室:無し
補助金:無し
特徴:ボーカロイド趣味を共有し摂取する
月1回の総会と布教会が日ごろの活動
イラストに強い
地の利を最大限活用したイベント参加
【類型】
見てみるといくつかの類型に分けられることがわかる
・創作系と摂取系
ボカロ趣味を共有するため集まってボカロ曲をお勧めしあったりイベントやグッズの話をする、文化を摂取する部と(摂取に加え)自ら作曲したりプロジェクションライブなどを作る創作系とに分けられる(分ける意味はない)
・ミク部、クリプトン部、ボカロ部、歌声合成部
主にミクの話でもちきりになるところ、クリプトンに全意識を集中するところ、ボカロキャラ全体に趣味が広がるところと、歌ってみたやUTAU他の歌声合成にも手を出す雑多なところなど様々。何ができてもできなくてもどんな趣味でもウェルカムで、来るもの拒まず去る者追わず自由な気質が強い
【共通した傾向】
・どの団体も部室、補助金がなく共有財産を所有しにくい状況にある
例えば団体共用のパソコンにミクをインストールしようってなった時に、パソコンの置き場と金がない。部室と金が切実に欲しい
・日々のイベントのネタ切れ感が強い
曲をお勧めしあう、ボカロ関連の話をする、たまにパーティー的なことをする、イベントに参加する、カラオケに行く。など、年度の後半になるにつれどうも新鮮さにかけることになる。ほかの団体と交流したりコラボしたりしたい
・VOCALOID以外の歌声合成ソフトと周辺文化
VOCALOID、特にクリプトンや初音ミクの存在感が確かに強いですが、クリプトン以外のVOCALOIDやUTAU、CeVIO他歌声合成、および歌ってみた、踊ってみたを摂取する人も多く所属しています。近年では歌ってみたに興味があって入部する人も結構増えてきました。早稲田大学には内部組織としてUTAUファンクラブ(UFC)が存在したり、別サークルとして踊ってみたサークルが存在したりもします
・団体の存続と技術、文化の伝承
どうしても歴史が浅くなるのでだんだん人が減っていって自然消滅する危険性がある。活動の前例になるサークルが少ないうえ、まだ卒業生がいないレベルで活動歴が短いのでかなり試行錯誤しながら運営していくことになっている。そういう意味ではほかの団体との交流は意見情報交換という意味で有意義。また、持ちうる技術や文化がかなり個人所有のものになっているためきちんと意識して伝承していかないと、次年度以降できなくなるイベントが存在する
・広報
ボカロ部の情報は探してもなかなか見つからなかったり、古かったりしてなかなかお目当てのものにありつけないです。さらに、広報担当が特にいなかったりそもそも広報で何を発信すればいいのかわからなかったりと認知度上昇のための手段に戸惑いがある印象。ただし、広報せねば部員は増えないのです
・人数が増えると人間関係がもつれだす
ボカロに関係なくよくある事。ただ、あんまり派手にやって炎上したりすると必要以上にたたかれやすい(後ろ盾がない)ので、穏便にしたいところ。ボカロ部は静かに暮らしたい
【ボカロ部の今後】
活動歴の浅いサークルが多いということはすなわち「これから発展していく」ということ。ポジティブにとらえましょう
世間的にまだ風当たりが強い面がありますが、VOCALOID含め歌声合成文化がいくらか安定しだしてきている今は結構安心して活動できるようになりつつある時期ではないでしょうか
イベントに参加するサークルとはまた違って、それなりの規模と組織があるので地方のオフ会の拠点として活動できることもあるのでは?という意見もあったりして
クラブサークルも去年から今年にかけて早稲田さんがイラスト本を頒布したり、同志社のCD政策が増えたり踊ってみた班が新設されたり、大阪市立では設備投資でプロジェクションライブのモーションが進化するかもとか、北大さんが人数増やして活動の情報を積極的に摂取したりしてるのでこれから期待できるんじゃないでしょうか。団体同士のコラボも増えるかも
【まとめ】
今後の大学ボカロ部に期待。
記事はまじめな感じになりましたが、対談はたいていミク廃とオタクが集まるのでくだらない話もオタク感満載のトークも炸裂しています(むしろその時間のほうが多い)。ほかの大学のボカロ部もあったら会いに行きたいですね。情報お待ちしています。
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