今回は”無生物過激派”こと”秋刀魚@秋P”さんにインタビューを行いまして、UTAUの中でも異彩を放っている「UTAU無生物音源」についてのお話を聞きまくってきました。
今回の記事は2回シリーズで、第1回は文化面強め。
【UTAU無生物とは】
人間の歌声・話声によらないUTAU音源です。とはいえこれも定義としては微妙。「鈍歌フィヨードッ」とかとかいるので
じゃあどこまで無生物でどこまでが通常音源なのかというと、結論としては
秋Pさん「無生物の定義は”あなたの心の中に”」
楽器だったりノイズだったり、ボイスパーカッションだったり星だったり本当に何でもありです。
最近は更新が止まってしまっていて秋PさんのVoiceフォルダのほうが網羅率高いということらしいですが、無生物Wikiがあっていくらかここにまとまっています。
インタビュー中「無生物じゃない音源」のスマートな言い方がわからなかったので聞いてみたところ、秋Pさんは「通常音源」という言い方をしているとのこと。「無生物がUTAUのメインストーリムだとはさすがに思ってない」という意味の呼び方だそうです。
【無生物音源の魅力】
・ピッチのいじりやすさ
楽器音源でもシンセ音源でもなんでも、一般的なDTM用音源と比べたときに圧倒的にピッチが書きやすい。視覚的だし自由度高い。
・管楽器との相性がいい
これはくろ州の感想。DTM用音源と比べたときにこれが一番強いので、作曲の面でも普通に無生物使いたい場面は結構多い。
・音なら何でも無生物になる
ほんとに音なら何でもいいんです。「マーシャルのアンプにPCからクリップ音流した音」でも音源になる。ポテトチップスを食べる音でもギャルのヒールの音でもいい。とにかく楽しみ方が広大なのです。
・バックとボーカル行ったり来たり出来るの面白い
楽器音源なんかでは、場面によってはBGMに引っ込み、また別の場面ではメインのリードボーカルになれるという無生物にしかない音楽表現がある。現代音楽的にも楽しい。
・楽
調声に凝らなくていい分リソースをほかに避ける。考える余裕ができる。音量ブレでクロスフェード最適化とか考えなくていい。逆に人間的こだわりアプローチのこのカバーはT-SQUAREみたいでこれもかっこいい。めちゃくちゃアツい。こういう幅広さも無生物の魅力。
ちなみに秋Pさんの口癖は「世界が歌に包まれてるなぁ」
【文化】
・よくつくタグ
「人類には早すぎる動画」というタグ。かの有名なこの動画にもついてます。
秋Pさん「むしろお前らが遅すぎる」
・つけられると微妙なコメント
個人差もあるでしょうが、「UTAUじゃなくていいのでは」「サウンドフォントでいいのでは」あたりはむっとされるとのこと。それ以外は大体OK。
・MMD
実はUTAU全体を見てもこれだけオリジナルのMMDモデルが出ている分野はないというくらいに、無生物クラスタはMMDが活発です。造形が簡単だからなのかMMDモデルにも恵まれるしイラスト描きやすいしで動画を作りやすいというのは結構な利点。
最近一気に増えましたね。無生物MMDモデル。
・無生物音楽祭
年に一回開催される無生物音源作品を投稿しまくる週間です。今年は11月3日からの1週間の予定だそうで。一大イベント。秋Pさんの誕生日に無生物音源動画があふれるように仕組まれているらしい……
・HANASU
無生物音源もHANASUあるらしいですよ。めっちゃほのぼのします。かわいい。HANASUする人ならわかる。イントネーションもしっかりついてるし、表情も豊か。
次回は音源の使い方と作り方をまとめていきます。
スポンサーサイト