最近いろんな歌声合成が10周年を迎えています。VOCALOIDに影響されて開発されたものが多いのでVOCALOID10周年以降にこういうイベントが各ソフトで続くことになるんですが、去年みくが10周年を迎えてお祭り騒ぎしているうちに20周年を迎えていた超古参ソフトが「My MidiVocalist」です。
このソフトの情報は「My Midi Vocalist」でも「MyMidiVocalist」でもうまく出てきません。「My MidiVocalist」だと出るんです。なんなんでしょうね?
【概要】
My MidiVocalistはWindowsで動く歌声合成ソフトです。初版は1997/01/06ということで、私が生まれたのが1996年なのでちょっと年下です。ヤベェ。ちなみに最終更新は2009年。
なんと(制限は強いが)オケのMIDI編集と歌詞入力などのボーカル編集がシームレスにできたり、UTAUのように多音階音源が作れたりと絶対この人時代違うだろって言う技術が詰まっています。
【導入】
このページからダウンロード可能。有料ソフトということになっているが基本的には寄付という形になるし、寄付しても何も起こらない。
ダウンロードしたら中のMSIを実行してインストール。簡単。
【使い方】
「My MidiVocalist」を起動すると、めちゃくちゃシンプルかつ小さいウィンドウが出ます(下図右上)
「ファイル」から「歌声ファイルを開く」でサンプルの曲が読み込めます。
最初は右下の「チャンネルリスト」が表示されるんですが、ここでびっくりポイント1
歌声だけでなく伴奏も編集することができる。
こいつ……今ある歌声合成の中で唯一「歌声合成ソフトに伴奏編集機能までついてしかもシームレスに編集可能」なのです。は?ってかんじ。
とはいってもゼロからMIDIを作るのではなく、MIDIは読み込みでそれを多少編集できるくらいです。VOCALOIDがボカキューとか言っているよりずーっと前にこれやってたってどういうことだってばよ……
メロディートラックをダブルクリックすると左の歌声編集画面が出てきます。
古のマジ打ち込みによるノート編集なのでかなりやりにくいですが。
基本的にこのソフトはゼロから曲を作り上げるんではなく、もともとあるMIDIに歌詞を付け加えて再生するというのがメインの使い方のようです。
普通にWAV保存できるというのもMIDIシーケンサーとしては結構先進的ですよね。LRで音量調整すらできます。
このほかにもびっくりするぐらい機能が詰まっています。ほんとにこの人この時代の人か?
歌声の細かい編集はほぼ望めないのでそういうあたりはVocalShifterに頼ることになります。
【音源制作】
デフォで男声音源が一つついてますが、なんとこのソフトUTAUのように音源を自作することができます(びっくりポイントその2)
形式はUTAU単独音みたいなものなんですが、このソフト単体でガイド音声付きで録音するところから原音設定まで可能。嘘だろ……
↑録音ウィンドウ(ガイド音声も流してくれる)
↑原音設定画面(なんか見たことあるし”ノーマライズ”とか見える)
ちょっと原音設定してみたけど、鬼のように細かく設定できる。
多音階に対応するためプリフィックスに相当する記号まで……
もはや恐ろしい。
【まとめ】
ナニコレ。時代の先取りしすぎだし多機能すぎる。
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