キャラクター付きの歌声音源が流行るより以前から一般に広く普及していた歌声音源といえば、シンセやハードウェア音源にも入っていた「コーラス音源」でしょう。
たいていのものは「Chorus Ah」とか「Chorus Oh」とかいう名前がついている教会音楽向きの音源で、母音は1個に固定。フォルマント可変みたいな音源ですが、KONTAKTのFactory Libraryに含まれるコーラス音源は一味違うぞ。
KONTAKTのファクトリーライブラリより「Vowel Keyswitch」で、なんちゃって教会コーラス。 pic.twitter.com/vGcyjcGIZP
— くろ州=すーぐすねる (@96s_kM4osM) 2018年8月2日
ちなみにたぶんこの記事は歌声合成だけやる人には難しい。DTM作曲勢なら普通に読める。
【KONTAKTとは】
サンプラーと呼ばれるもので、音源を読み込んで鳴らすためのソフト。イメージとしては
KONTAKT →VOCALOID Editor - ピアノロール
KONTAKT音源→VOCALOID音源
DAW →ピアノロール
な感じ。
【Factory Libraryのコーラス音源】
KONTAKT買ったら最初からついてる音源シリーズ「Factory Library」に入っているコーラス音源。
instruments→Choirの中にいくつか入っている。ラインナップは
・Vowel Morphs
・Vowel Keyswitches
・Choir
・Soprano
・Alto
・Tenor
・Bass
【機能】
基本すべてポリ(コード弾き可能)
・Soprano/Alto/Tenor/Bass
音域別の音源で、フォルマントは固定なので音程が上がってもロボットみたいにならない。母音は固定で「Soprano[a]」なら「あ~~」としか言わない。種類はそれぞれ[a][e][i][o][u][m]。
・Choir
SopranoからBassまで統合されているので鍵盤でコードを弾けばフルコーラスが演奏可能。もちろん音域ごとにフォルマントは違う(適正値になっている)。母音は固定以下同上。
・Vowel Morphs
MIDIキーボードのモジュレーションホイールをぐりぐり動かすと[a]-[e]-[i]-[o]-[u]が滑らかに切り替えられる。要するにディレイラマみたいなこと。リアルタイムの演奏に強い。SopranoからBassまで統合の音源と音域別の音源がある。
・Vowel Keyswitch
キースイッチで母音を切り替えることができる全音域統合音源。C0を押してから弾けば「あ~」と歌い、F0を押してから弾けば「お~」と歌う。打ち込みに強い。SopranoからBassまで統合の音源と音域別の音源がある。
【ちょっとした使い方】
Soundノブ:上げると音がきらびやかになる。
Chordノブ:例えば「C3~~」って打ち込んだ時に個のノブが「1-3-5」の位置にあると、「Cメジャ~」って鳴る。KeyノブとScaleノブが適切に設定されていればかなり楽。
例えば、四声をそれぞれきちっと音程指定して打ち込んだとして、Soundギャン上げ&Chordノブ「Octave」にしておく(=ユニゾンをつける)と、荘厳なコーラスになる。
下のほうにある「Option」タブからは詳細設定が可能。あんまり使わないかも。移調、ベロシティー→ボリューム変換率、ランダマイズ設定などがある。
【まとめ】
割と多機能
でもKONTAKTって5万円するよね。作曲する人はもっといて損ないけど。KOMPLETEは総合音源の中では結構いいほうだと個人的には思う。
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