FC2ブログ

タイトル画像

ボーカロイド教育版の授業モデルを読んでみた

2018.10.31(21:51) 305

2017年の2月に発売された学校用のVOCALOID「ボーカロイド教育版」、結局のところどれくらい導入されたのかは現場見てないんでわからないですが、少なくとも浸透はしてなさそうですね。

今更感はありますが、HPで提示されている授業モデルを読んでみました。実は私、教育系の学生なんですよ。

紹介動画をちょっと見てみましょう。

ボーカロイド教育版というのは要するに教育用のVOCALOIDで、学校において音楽の授業に使われたりすることを考えられているっぽいです。

考え自体は納得です。文科省の示す教育の情報化関連の文書の文言とボーカロイド教育版関連文書の文言は明らかな関連が見て取れるのでやはりそこはしっかり押さえてきたなーという感じ。

【授業モデル】
学校の先生は一つ/一連の授業について授業の進行表をあらかじめ作っているはずです(ベテランは知らない)。その進行表がボーカロイド教育版のHPでも閲覧可能です。今回はこれを読んでみました。

対象学年:小学5年生
目  標:「きらきら星」の主旋律をボーカロイド教育版に入力することで楽譜に記載されている音の高さと長さについての理解を深める。また、メロディーと伴奏コード(和音)の関係から「きらきら星」の主旋律にハモリのパート(副旋律)を考えさせ、音の重なりの美しさを表現させることがねらいである

要するに、ボーカロイド教育版を使って楽譜(ピアノロール)の見方と和音を感じようといった感じでしょう。

なぜ「きらきら星」かというと、旋律が4分音符のみで構成されていて簡単であるということと、メロディーがコードの構成音のみでできているのでハモリが作りやすいというところらしい。なるほど。

ボーカロイド教育版の良いところとしては

・ピアノロールで音の高さと長さがわかりやすい
・触ってすぐ再生して確認できる再現性と正確性の高いレスポンスの速さ
・和音の並行表示とコードトーンのガイド表示があるので和音が見える

らしい。音楽教育の潮流とかには詳しくないので、これからピアノロールが音楽教育の現場に浸透していくのかといわれるとそれは知らないが、感覚的にグラフィックに音を見るのにはピアノロールのほうが比較的良いのかなという印象。オタマジャクシになれるとそっちのほうが読みやすいというのはそれはそうなんだけども。

レスポンスの速さは確かに良いと思います。試行錯誤して作業を進められます。グループワークとしてとりあえず「きらきら星」の旋律を打ち込むところから始めるらしいので今風な感じ。流行りのアクティブラーニング。ZPD(発達の最近接領域)とか言っておくと教育系学生っぽさが出る(安易)

楽譜を書いて今まで通り歌うなり演奏するなりでも似たようなことができますが、絶対に一回自分で読まないといけないし、自分やクラスメートを通した時点で正しく書けてるか、正しく歌ってるか全くわかんないんですよね。間違って書いてても歌えたりするし、正しく書いてても間違って歌ったりするし割と沼。あ、これが正しいのかって確信がないですよね。間違っても少なくともボーカロイドは文句言わないし。

主旋律を打ったら今度はハモリを作るようです。これ、非音楽系大学生にDTM教えててもまぁ~できないポイントです。スケールとかコードとかなんとなく把握できてないとできない。

ボーカロイド教育版はコードの構成音がハイライト表示されるのでそこに置けばいいんだとか。小5にコード理論とか度数表記とか早いのは実感としてもわかる。

ところでこれ、指導案みてみると、初めてボーカロイド教育版をみてから、主旋律からハモリ作り、自己評価レポート画まで45分でやろうとしてるんですよね。実際にやってないんでわからないですけど、これできるか?

「きらきら星」は12小節で、ノート数は42。で、ハモリ1パート追加で30分ならまぁ小5でも無理ではなさそうだけど、導入5分でVOCALOIDを軽く説明して、次の30分で、トラックに音源を割り当てる/トランスポート(再生停止)/歌詞入力/ピアノロールの見方(試行錯誤しながら理解)/鉛筆ツール消しゴムツール/モノフォニックの説明/シーケンスの保存/コードガイドの表示/ハモリの作成まで割とさらっとやるつもりらしくてびっくりした。あんまり現実的なスピードではない気がする。

小6対象のモデルもあるので見てみると楽しいと思う。「オリジナルの歌詞にメロディーをつけてみよう(3コマ)」だそうな。

中3対象の授業モデルも2つ提示されています。島崎藤村の詩に4人くらいでメロをつけてそれを合わせて一曲にするとか。こちらは3時間とか5時間とかとってて余裕ありげだった。

ちなみに個人的な注目ポイントは小6の授業モデルの最後です。

小6の授業モデルでは短いフレーズにメロをつけるっていうのをやるんですが、1コマ目で「きみとぼくとは ともだちだ」っていうフレーズにリズムと音程をつけます。2コマ目で歌詞とメロを作って、3コマ目でブラッシュアップした後、最終的に自分たちで歌って発表するんです。

ボカロスキー的には「あ、そこ歌うの?」ってツッコミ入れたくなるところかもしれません。「結局人間がいいよねとか言いたいんか!」とか思うかもしれません。

ただ、とりあえず言えるのは作曲という表現とは別に、自分で歌唱表現する時間もとらねばならんのです。たぶんDTMが義務教育に入ってきたとしても体を動かしての器楽合奏はやると思うんだ。

たぶん作曲作業中もなんだかんだみんな自分で歌ってたりするんだろうけど、やはりVOCALOIDのほうが正確に試行錯誤しやすいので道具的な使われ方としては活きてるのかなぁという印象。もちろん授業の組み立てとして最終的にVOCALOIDに歌わせて提出というのも全然やっていいんだけど、それで要領を満たせるかというとそれは別問題なので。

ちなみにこちらから導入事例がいくつか見れるので興味がある方は見てみるのもよいかも
スポンサーサイト


くろ州の合成音声備忘録


VOCALOID トラックバック(-) | コメント(0) | [EDIT]
<<大学ボカロ部座談会に突撃してきた。 | ホームへ | バーチャルキャストでVRoidテカテカになる問題の回避方法>>
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する