以前Sharpkeyの音源制作企画「SK Galaxy」のときにもあったんですが、最近はVTuberの影響もあってか「中の人を募集する」というのが少しづつ増えてきました。
この中の人募集ってなれてないとというか結構深めの理解がないと落とし穴がいっぱいあるのでちょっとまとめてみました。
【前提】
歌声合成ソフト用音源の中の人を募集する。
※UTAU用音源の中の人ではない
なおこの記事に書いてあることはすべて「私が」欲しいと思うことであり、状況によっては悪く作用することもあるし、少なくとも強制するものではない。
【基本項目】
基本的に書くべきことは以下の通り
・応募要件
・応募方法
・規約
1.応募要件
応募するのに必要な前提条件です。
・女声か男声かの指定
中の人の性別ではなく、声が女声なのか男声なのかという話。場合によってはショタ声、ボイスチェンジャー利用の可否なども含まれる。ちなみに、たまに「言語は何か」「人外はアリか」というところに気を配る必要が出てきたりする。
・機材及び音質の指定
録音の際に利用できる機材の話。宅録か、スタジオ録音か、それとも募集元での録音かという録音場所と、マイク&オーディオインターフェースを使うのかどうかという話が主なもの。
ここが厄介で、募集元が録音業務をやるという場合を除けば、応募者が自分で録音することになりますよね。このとき、音質が良いというのは選考基準として大きなポイントだと思いますが、「コンデンサーマイクとオーディオインターフェースで」って書くと割と突っ込まれやすいというのが私の見たことあるやつ。
よくあるのが「高音質なダイナミックはダメなのか」「ノイズ除去してもよいのか」「PCに直接つなげるコンデンサーマイクはダメなのか」「スタジオで機材を借りて録音するのはアリか」あたり。
逆にかなり雑に書けば「音質が良ければOK」ということになるんだろうけども。
この辺は結局のところ応募者が集まったらあとは選考の段階で音質によって普通に落とされるだけだったりするので、程よいハードルの設け方が結構難しい印象。
・制作経験の有無
UTAU音源などの中の人を経験したことがあるかどうかというのは、中の人として話が通じるかどうか、どの程度の収録に耐えられるのかというところを判断するうえで重要だったりする。連続音の中の人経験者なら大抵の歌声合成の中の人ができるかもしれないが、学習系の中の人募集ではむしろ歌ってみた動画の投稿頻度なんかを聞くのもアリなのかも。
2.応募方法
どうやって応募すればよいのかという話。
・連絡言語
日本語が良いのか英語も対応できるのか等。
・連絡先とHN
募集元の連絡先/企業なり個人の情報を示しておくというのはもちろんのこと、応募者の連絡先とHNを把握できるように書いてもらわないといけない。かつ、その情報の取り扱いについても書いておくと高評価。
・サンプル提出
どのようなサンプルを提出してほしいかということ。歌ってみた動画なのか、音域がわかる音声データなのか、過去に作ったUTAU等の音源なのか。
3.規約
応募したデータと出来上がったライブラリの扱いについての話。
・応募データの扱い
その場限りのもので、選考落ちた場合には絶対に使われない/公開されないことが明記されねばならない。
・出来上がったライブラリの扱い
出来上がったライブラリのライセンスがどうなるのかといった話。実際この辺はある程度の方針を打ち出しておいて、あとからやり取りをする中で双方の意見をうまく組み合わせて規約を作ることになると思うので、最初から全部提示する必要はない。
明示しておいた方がいいなと思うのは「ライブラリの利用について応募者が規約策定における十分な権利を保有できるか」「募集側の利用に対して応募者は異議申し立てを行えるのか」「応募者側はライブラリ利用及び第三者の利用停止を決定できるか」あたり。よく訊かれる。
もちろん中の人もライブラリの権利者たりえるので。
異議申し立てを基本的に受け入れない方針にするのはもちろんアリ。その場合は、性的な内容/誹謗中傷/暴力的内容/政治宗教にかかわることには使わないというような契約を結ぶようにしないといけない。
4.その他
その他明記しておいた方がいいかもしれないこと。書かないほうがいい場合もあり得る。
・前例の提示
募集側の経歴やすでに作ったライブラリなどを提示すると応募側が安心できることもあるかも。
・企画中断の可能性
もちろんないことが好ましいが、実験段階だったり経済的問題だったりで中断する可能性がまったくないとは言えない。中断するときの連絡方法やデータの利用等ははっきりしておいて損はない。
・応募取り消しの可否
応募したけどやっぱりやめるというのを許すかどうか、またどのような理由なら許すかどうか。これも非常に書きにくいが確認しておきたいところ。
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