最近、CeVIOの技術開発をやったテクノスピーチ&名工大のタッグが新しい歌声合成デモを公開して話題になりました。
で、そのニュースリリースのときに、合成処理をサーバーでやるタイプの歌声合成になるかもしれないみたいな話が出たりしました。
実際どうなるかはまだわかりませんが、ここで「ローカルで処理をしない歌声合成」を見てみようかと思います。正確に言うと「Webブラウザを通して使う歌声合成」ですね。
【Sinsy】
Sinsyはまさに名工大さんが出している歌声合成です。
・使い方
1.ローカルでシーケンスを作る
2.シーケンスをアップロード
3.非ローカル環境で合成
4.合成結果をダウンロードしてあとは好きに
Sinsyは合成→非ローカル、操作→ローカルといったように分離されています。
音はCeVIOと大体一緒で、言語は日中英3か国語に対応。
【RenoidPlayer】
RenoidPlayerは
「Renois」というDAWの
日本語サポートページ「Renois-Gate」を執筆する
サトーさんが提唱した
「Renoid」というRenoisの機能を活用した歌声合成方法を
g200kgさん(Keroveeとかの人)が
ブラウザ上で操作できるようにした
歌声合成です。
Renoisのみで動くRenoidと
多くのDAWで動くRenoidと
ブラウザ上で動くRenoidPlayerがあります
・使い方
1.ページでシーケンスを作る(もしくはUSTやVSQをインポートする)
2.再生ボタンを押して合成
3.合成結果をダウンロードしてあとは好きに
こちらは合成も操作も非ローカル環境でやります。
【スマホでも操作できるか】
環境によるのはもちろんですが、この二つはとりあえずスマホでも動きます。
Sinsyはシーケンスをローカルで作らないといけませんが、実はRenoidPlayerでもSinsy用シーケンスは作れるので、どちらもスマホのみで完結できます。
で、結果をGarageBandやFLStudioやCubaseみたいなアプリや、SoundtrapのようなブラウザDAWに突っ込めばボカロ曲も作れます。
最近は創作分野にもスマホしか使わないユーザーが増えてきてたりするようですし、もしかしたら需要が増えていくのかもしれないですね。今のところ、スマホで使える歌声合成はiVOCALOIDが最強なんですかねー。
【使いやすいか】
私はもうとっくに麻痺して慣れちゃってるのであてにならんことになってますが、Sinsyは操作と合成が分離しちゃってる分ちょっと難しいのかもしれません。
RenoidPlayerは細かいことをしようとするとちょっと小さい。たぶんスマホで指先操作しようとするときつい。
両者ともスマホユーザーをターゲットに作ってるわけではないと思うので、そういうGUIにはなってないです。たぶんそういうことをがっつり狙って開発するとiVOCALOIDみたいなことになるんでしょうか。
【じゃあどうするの】
PC向けブラウザ歌声合成はたぶん、ブラウザ上でシーケンスを作れる方が使われやすいだろう。今時のGUIが作れれば普通にウケるでしょう。
ただ、私は出てくれればどんなのでも大体使える自信と心の準備がいくらでもあるので、操作は別のソフトに全任せしてしまってコストカットするというのもアリだと思います。私は。
スマホ向けブラウザ歌声合成を作る人がいるかどうかわからないですが、これもブラウザ上で操作が完結するのが良いのかも。小さい画面で快適に操作できるGUIが作れるかがカギ。
もしかしてChromeのWebMIDIapiを使えばMIDIキーボードとかも使えるようになるのかも。需要は知らん。
という感じです。
ブラウザ系歌声合成はクロスプラットフォーム狙いか、処理が重すぎて強強サーバーで処理したいかとか狙いが絞れて開発されるものだと思うので、予算さえ取れればいいものが作れそうな予感がしますし、時代の流れから見ても求められるものになるのかもしれません。
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