世の中にはAdobe AuditionやRXシリーズ等、音声を編集加工修正するソフトがあります。こういうソフトはそれなりのことをしようとするとそれなりに高価になるわけですが、1万円を切る奴を見つけました。「ReSample」です。
ぽいでしょ?
【販売ページ】
この界隈では有名なPluginBoutiqueで販売されています。海外サイトなので支払い方法はちょっと気をつけよう。
体験版(25日間)があるので、動作確認や品質をあらかじめ試しておきましょう。
【見た目】
こういう系ソフトの中では比較的見やすいほう?かも。機能もそこそこ絞られていて初心者向き感ある。
①ファイルエリア:読み込んだファイルの情報が書いてあるだけ
②音声表示エリア:波形やスペクトログラムを表示している
③トランスポート・基本エフェクトエリア:そのまんま
②で波形を見ながら、③やメニューバーから編集していくスタイル。
最初に、メニューバーの「View→Show Spectrogram」でスペクトログラムを出しておくと気分が良い。
【できること】
まずは音声表示エリアにあるエフェクトから。基本的に、
1.エフェクトを掛けたいところを選択
2.エフェクトを指定
3.実行(Apply)する
の順番で作業していく
・Fade
フェードインフェードアウトができる。以上。フェードのカーブは自分で作れて、保存もできる。ほかのエフェクト類も、同じくいくつかプリセットがあるし、自分でも作れる。
・Equalizer
イコライザー。ローカット・ハイカット・ローシェルフ・ハイシェルフ+5バンドなので、とりあえず困ることはなさそう。これで困るんだったらソースが悪い。一応、二度掛けも可能。
リアルタイムにスペクトラムを見ながら調節できるのが良いところ。
・Spectrum
リアルタイムにスペクトルを表示する。以上。
・Noise Reduction
恒常性のノイズ(ヒスノイズやエアコンのノイズ)を消します。
1.ノイズのみの部分を選択
2.「Noise Reduction」ポチー
3.でできたウィンドウの左上の
「Estimate Noise Profile」ボタンをポチー
4.ウィンドウを消さずに音声を全選択
5.ウィンドウのほうでApplyをポチれば
ノイズが消えます。基本何もいじらなくてもいいカンジに減らしてくれるけど、基本の設定4フェーダに加えて、アドバンスドボタンを押せば詳細設定4フェーダが設定可能なので、音質はいろいろいじりながら試行錯誤しましょう。
処理は特に遅くないです。
「風呂で扇風機をつけたままハムノイズ載りやすいようにして安いダイナミック(2000円)を手持ちで録音」までした音声をでノイズするとさすがに結構こもったけど、エアコン消してフツーにコンデンサー録りの音源であれば特に劣化もなくノイズ除去できた。
・Time and Pitch
速さと音程を変更できます。
速さ:1/10~10倍
音程:1/4~2倍
音はそこそこ変わる。なんか丸く?なる。いかにも合成した感。
・Vocal Removal
MIX済みの楽曲からボーカルを消したり抜き出したりできる。
1.曲を全選択して「Vocal Removal」ボタンをポチー
2.ボーカルの定位と帯域を指定
3.Apply
これだけで除去・抜き出しができます。
ReSampleでボーカル抜き出し。
— くろ州=歌声合成好き (@kM4osM_96s) 2019年3月16日
精度はこのくらい。 pic.twitter.com/FuerZJmFh9
これだけ見ると、この定位のこの帯域をただ抜いているように思えるけど、実際の処理はもっと複雑らしく、ボーカル除去の結果は残響は残るものの、大体ちゃんとボーカルだけ消えていた。
逆にボーカル抜き出しもそこそこできていたけど、こっちはアラが目立つ。オケのほうはReMixに仕えるけどボーカルのほうはちょっとという感じ。
・Reverb
リバーブ。機能は多くない。
・MB Compresser
マルチバンドコンプ。可変4バンド。普通。
続いて、メニューからできる編集。
サンプルレート・デプスコンバージョン:音質を変えられる
ノーマライズ:最大までノーマライズ(手加減を知らない)
ジェネレートノイズ:ホワイト・ピンクノイズを挿入
アンプリフィケイション:音量を変えられる
コンプレッサー:普通のコンプ
リミッター:普通のリミッター
エンジニアリングフィルター:普通ではないけどフィルター
コーラス:普通のコーラス
フェイザー:普通のフェイザー
ディレイ:普通のディレイ
ステレオエンハンサー:モノラル音声に掛けても意味ない
ピッチコレクション:何となく音程補正する。ケロケロではない
ディエッサー:ちょっと細かいディエッサー
ドップラーエフェクト:使いどころがわからない
オシロスコープ:リアルタイムに波形を表示する
フェイズスコープ:ステレオビジュアライザー
ラウドネスメーター:ピークのほかにLUFSとかも出してくれる
その他、外部VSTを入れることもできるらしい。
【良いポイント】
・波形やスペクトルを見ながら編集できる
・操作が簡単で見やすい ※個人の以下略
・コンプ等のアタック設定をマジの0msにできる
【よろしくないポイント】
・オートメーションは描けない(でもこれは普通のこと)
・ピッチいじる系のエフェクトで変質が激しい
・メッサ細かいことはできない
個人的には3千円~5千円くらいのクオリティーかなーとか思った。
宅録でちょっと恒常ノイズが載るのを消したいとか、カラオケするのにちょっとボーカルを消したいとか、そういう場合に、RXは高すぎるしAdobe税を払うのはもったいないということなら、簡単だし試してみてもよいのかも。
もっと細かくノイズを消したい(なお金はない)ということであればISSEのほうが適任。
ReSampleは数クリックで自動で簡単に
ISSEはちまちまグラフィックに細かく
という感じ。
スポンサーサイト