30以上もある歌声合成ソフトにはそれぞれ機能に大きな違いがあります。かなり多機能ですべての機能を把握することすら難しいものから、ボタンを押したら音が出る以上の機能が全くないものまで実に様々。
機能が多いソフトは「多機能すぎて難しい」と言われ、少ないソフトは「やりたいことができない」と言われます。ネガティブな面ではね。
確かに、多機能なソフトはUI(UX)がかなり優れていないと使いこなしにくいし、少ないソフトは当然できることが限られるんですが、それはソフトに使わされてるからだと私は思うのです。
機能は使うものだけ使えばいい
多機能というのは、ただ単に機能が多いっていうだけで、その機能をできるだけ使わないといけないなんて決まりは特にありません。
たいていのソフトは、楽譜を打ち込んで再生すれば最低限歌います。それで満足ならそれ以外の機能は一切使わなくても問題ありません。
楽譜を打ち込んで再生ボタンを押すだけなら、ソフトの難易度はほとんど変わりません。せいぜい気が利いたUIをしているかどうか程度の違いだけ。
使いたいときに使いたいものを使いたいだけ使えばいい。
今ある歌声合成ソフトの中でも特に機能が多いのはVOCALOID5やPiapro Studio NTあたりです。これらも打ち込んで再生すれば歌います。簡単ですね。
やりたいことさえ分かっていれば、機能を使い裁くのも簡単です。
私は大体、子音の長さ、ピッチ、声のハリしかいじらないタイプなんですが、そういう意味ではVOCALOID5はVEL、ノート分割、Exciterだけいじればいい。アタック&リリースエフェクトや自動調声機能、その他10個近くあるパラメーター、オーディオ編集機能などは一切使っていません。
NTの場合もConsonant、Voltage、手描きピッチだけ使います。それ以外の機能はまーーじで使わない。
いらない機能ではないんですよ。他の人はたぶん使っている。多機能というのは、いろんな人の需要に対応できるということなのです。
ほしい機能がないなら拡張すればいい
逆にほぼ何も機能がないソフトは、シンプルで簡単と思いきや、シンプルすぎて逆に難しかったりもします。Sinsyとか楽譜を打ち込む機能すら持ち合わせていないので。
ほしい機能がないなら拡張すればいいんです。例えば
・打ち込みツール
各種歌声合成ソフト、MuseScore、Finale、Cadencii、DAW、RenoidPlayerなど
・ピッチ編集ツール
VocalShifter、WAVES TUNE、Auto-Tune、Melodyne、DAW付属のピッチ編集ツール(ABILITYとか)
・タイミング編集ツール
VocalShifter、Auto-Tuneなど
・グロウル
VocalScreamer、手作業
・パワー系パラメーター
EQプリセット、エキサイター
・音量編集
DAWオートメーション
・モーフィング
KotonoFader、VocalShifter
・ピッチ転写
VocalShifter、MikuMikuVoice
・倍音編集
EQ、エキサイター、WAVES Vitamin、VocalShifter、ピッチ追従型EQ(Nectarとか)、ひずみ系VSTe
・ジェンダー
フォルマントシフト系VSTe、VocalShifter
こんな感じ。歌声合成ソフトなんて書きだしちゃえば全部音声波形なんだから、あとの編集作業は全部一緒。これらのツールを必要に応じて適用してやれば、VOCALOID4くらいの機能は一通り網羅できる。
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