ニコニコ動画でアニメ見てると、OPやEDで空耳コメントが流れることも間々ありますよね。
まとめ
普通にシンプルに不快なだけのこともあるんですが、「なぜそう聞こえるのか」を音素の面から分析してみるとちょっと面白かったりするんです。
今回は、中でも空耳コメントが多かった、山田くんと七人の魔女のED「CANDY MAGIC」を分析してみました。
空耳コメント
・フレーバー→フライパン
これは聞こえない。
ちゃんと「p\M le e v@」くらいで歌っている。
フライパンを「ふれーぱN」と解釈するなら確かに近い。
・ほしい→ふーしひー
これはその通り歌っている。
この曲の歌手の癖として、「お段の母音がMに近い@のような音になりがち」「y→Cになる」というのがある。
これがコンボになって「ho Si i(yi)」→「h@ Si Ci」になっている。
・きもち→キムチ
これもその通り。
「お段の母音がMに近い@のような音になりがち」の法則で「k'i mo tS」→「k'i m@ tS」になっている。
・なんども→なっとう
そうは歌ってないが、説明はできる。
実際の発音は「na n do o」くらいになっている。
m子音が発音しきらず消えかかっている。
加えて「ん」は音量が小さく、直前に正門閉鎖を挟んでいるので「な×どお」と聞こえなくもない。
「有声音が無声音化しやすい」癖もあるので、d子音も若干軽く(でもはっきりd)、最終的には「な×とお」と聞こえなくもない。こじつけに近い。
・いう(ゆう)名の鼓動→勇太のこと
たしかに近い。
実際の発音は「jM M da lo ko do」といった感じ。
n、d、lはいづれも歯茎音で、そこそこ近い音になる。
nが短くなればdに聞こえることもあり、鼻音が鳴り切らなかったらlに聞こえることもある。それが「名の」で出ているので、個人的には「ゆうだろこど」に聞こえている。
・魔法だよ→まふーたひょん
大体あってる。
実際の発音は「ma h@ da Co」くらい。
「お段の母音がMに近い@のような音になりがち」の法則で「ほ→ふ」に、「y→Cになる」の法則で「よ→ひょ」になっている。
語尾の処理が軽いヒーカップになっているのを無理やり「N」と聞けば「ん」になる。個人的には「まふーたひょい」に聞こえている。
・ハート→カープ
言いたいことはわかるが苦しい。
実際の発音は「ha a tM」くらい。
haとkha(帯気音化)は最初のバーストが聞こえなければほぼ同じ音。
tとpが無声破裂音というくくりで似た音であると判断すれば聞こえる。
さすがに歯茎音と両親音はたとえ内破音でも聞き分けられる気がするので苦しめ。
・でした→ですたい
そこそこ近いが若干苦しい。
実際の発音は「de S ta」でヒーカップ。
Sの継続時間が短いので、sと聞き間違うことがないとは言えないが、リスニング環境が良ければ確実にSであるとわかる。ヒーカップが「い」に聞こえることはあったりなかったりするが、ここでは「ですたい」に耳が引っ張られてる感がある。
ポイント
この空耳のポイントは「歌手の癖」。
o→@やy→Cといった、かなり個性的な歌い癖が空耳の大半を占める。
これは、外国語空耳ではよくあることだが、日本語空耳ではそんなに見かけない。そこまで濃ゆい人がそんなにいないし。
日本語でよく見るのは「単語のモーラ数とメロのノート数があってない」ことが原因の空耳。
わざわざ空耳コメントになることはほとんどないが、結構聞き間違いがある。
最近だと、ごちうさ3期OP。
「天空」という4モーラの単語に3ノートしか割り当てられてないので「てんく」「天狗」に聞こえてしまう。
シュガーソングとビターステップでは「等速」「後方」という4モーラ単語があるが、いずれも3モーラ分しかスペースがないので「とそく」とか「こほー」に聞こえる。歌詞を知らずに聞くと何言ってるかわからない。
個人的にはこういうのが気になるので、カバーするときにメロのほうを変えてちゃんとその歌詞に聞こえるように修正することもある。
まとめ
空耳に学べ
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