どんな界隈にも初心者っていますよね。初心者がいないとコミュニティーサイズを維持できなくなるので、初心者の確保と育成は重要項目です。
そんな初心者育成に使われるのが初心者向け情報です。今回はその作り方を幾つか紹介します。
読者が知っている情報を想定する
想定読者を作って、その人が知っている情報/知らない情報をできる限り書き出してから文章を書く。知っている情報は説明なしに使ってOK。知らない情報は説明必須。
例文)UTAUの音源形式には、主に単独音、連続音、CVVCがある。
想定読者:「UTAU 音源 違い」とかで検索してきた人
知っている情報:UTAUとは何か/音源に違いがある
知らない情報:音源形式の名前/音源形式の仕様
→音源形式:要説明だが漢字で理解できるとして省略
単独音、連続音、CVVC:要説明→これを元に続く文章を作る。
想定読者の設定に無理があるとダメ。例えば「UTAUに音源形式があるのは知らないけど、連続音の仕様は知っている」とか。そんな読者いる?
そういう設定をすると「連続音とは~~。ちなみに、UTAUの音源見識には単独音や連続音、CVVCがあって~~」みたいな文になる。これだと、最初の1文を呼んでる間、読者はずっと「連続音って何だ?」と悩むことになる。後ろまで読んで、読み返さないと理解できない難しい文章になる。
想定読者の設定は、年齢や性別ではなく、知っている情報が特定できるように考えるのがコツ。ブログの記事なら「どんなワードで検索したか」で考えると楽かも。Twitterは知らん。
初心者過ぎる人を対象にすると、言いたいことを言うまでに説明しないといけない情報が山のように出てきて文章が伸びて、初心者にとっては長すぎる文章になるので注意。対処法としては、「言いたいこと」がラスボスとすれば、エリアボスくらいの「言いたいこと」を新たに設定して、記事をそこまでにするとかある。想定読者で初心者を足切りする方法もある。ゴールを近づけるかスタートを近づけるか。
疑問が浮かぶ順に情報を並べる
文章を作る方法というか、文全体の構造を作るテクニックです。これは具体例を見た方が早い。
例文)UTAUの音源形式には、主に単独音、連続音、CVVCがある。
→浮かぶ疑問:単独音、連続音、CVVCって何?
→次書くこと:単独音、連続音、CVVCの説明
このように1文、1段落書く毎に「ここまで読んだ人が真っ先に感じるだろう疑問」を確認し、それを次の文や段落で解決する。上手く書き続けられると、生じる疑問は毎回だいたい1コに絞れる。あまりにもたくさん出てくるようなら、構成を練り直さないといけない。
このテクニックの注意点は、気を抜くとすげぇ冗長な文章になってしまうこと。なんかずっとだらだらしゃべってるような文章になるので、章を分けるなど、強制的に区切る必要がある。
自分の意見を混ぜる
客観的な情報を書くのが正義と思われがちだが、これも必要なテクニック。客観的な説明をしたうえで、自分の意見を最後に1コ付け加える。
初心者がほしい情報って、本質や概念ではなく、表面上の理解や小手先のテクニックだったりすることが往々にしてよくある。
例文)
× 単独音、連続音、CVVCにはそれぞれに向き不向きやメリットデメリットがある。
○ 単独音、連続音、CVVCにはそれぞれメリデメある。好きなのを選べばいいけど私のおすすめは連続音。
おすすめなんてのは人によって違うし、異論はいくらでもあり得る。客観的じゃない。だが、前者だと「じゃあ私はどうすればいいの?」となる。後者なら「じゃあ連続音音源を作ってみよう」と動き出せる。
客観的な情報を載せるのは辞書や研究論文、参考資料。初心者向けブログの役割ではないので、主観があった方が指針にしやすい。主観は多すぎても邪魔なので、最後に1個だけいれるくらいが程よいと私は思う。
ただ、主観と客観が混ざると「初心者は連続音から入るべき」みたいなゆがんだ認識ができてしまうので、明確に分けられるとよい。わざわざ「私は~~と思う」のように明記するのが手っ取り早い。
具体例を挟む
具体的な内容と抽象的な内容では抽象的な内容のほうが理解が難しいので、初心者向けには具体例マシマシでOK。
丸括弧を使わない
読み仮名や日付などを示すための丸括弧以外は使わない方がいい。
例文)UTAU(無料の歌声合成ソフト)音源には、主に単独音(平仮名のように1音ずつ使う形式)、連続音(「a か」のように直前の母音と合わせて使うことで合成音を滑らかにできる形式)、CVVC(~~~~。
これはやりすぎだが、究極に駄文である。いったん文章の流れをぶった切って間に割り込むようになる。文章の本流「UTAU音源には、主に単独音、連続音、CVVCがある」というのが見えにくくなるどころか、ほぼ見当たらないレベルまで視認性が落ちる。
独自の用語を作らない
オリジナルの専門用語を使うと、伝わらなかったときにリカバリーが利かなくなる。オリジナルの用語を提唱するときのみ許される。
例文)UTAU音源系統として、主に単独音系、連続音系、CVVC系がある。
「UTAU音源系統ってなんだ」って言われたら終わりである。検索しても出てこないか、別人のちょっと用法が違う分が出てくるか、自分の説明なしで使っている別記事が出てくるかしかない。
普通分かるくね? と思わんでもないが、読解力ある読者を想定しないなら、読者に読解力を期待してはいけない。
例文)UTAU音源には主に3つの系統がある。単独音、連続音、CVVCをベースにしたものだ。
これならセーフ。細かいことだが「独自用語」「オリジナルワード」も独自の用語だ。私は「独自の用語」「オリジナルのワード」のように分けている。許容範囲とは思う。
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