前の記事の続きです。
「東北ずん子」「結月ゆかり」を混ぜてみたのです。
VOCALOIDがV3になったとき、VOCALOIDは「モーフィング」という手法を手に入れたそうです。
すごくテキトーな言い方をすれば「別々の音を滑らかにつなげる・かぶせる技術」でしょう。クロスフェードよりは難しい処理をしています。
基本的にUTAUでもVOCALOIDでもライブラリは「文字一通り網羅するように収録」をワンセットとして、その音程違いを何セットかとります。
これによって対応音域が広がりますが、その「セット」の切り替えが問題です。いきなり切り替わるともちろん違和感があるので「モーフィング」して滑らかにつないだのです。
V4の「クロスシンセシス」はこの応用なのだと思っています。「セット」の切り替えがV4になって「ライブラリ」の切り替えに拡張されたのではないでしょうか。
この時点で「結月ゆかり-純」「結月ゆかり-凛」という異なるライブラリ間でのモーフィングができています。
ならば「結月ゆかり」と「東北ずん子」という異なるライブラリも技術上は可能だったでしょう(もちろん品質保持や細かい修正がたくさんあったことでしょう。)
さて、本題です。
「結月ゆかり」には「ノートの終わりあたりで息を抜く」という特徴があり、「東北ずん子」には「ラ行が割合強い」という特徴があります。
この二つをクロスしたとき両方の特徴が出ました。
ゆかりベースでXSYが64を超えないくらいの範囲ではノートの終わりあたりで息を抜き、64を超えたくらいからVELでラ行を弱める必要が出てきました。
こういうところを見ると、V3以降の「モーフィング技術」にはフォルマントの近似以外にも要素があるのでしょう。
ずっと疑問だったのです。「発音タイミングがずれる音のモーフィングはどうやってるのか」と。
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