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人力ボカロツール なめうぇーぶ

2017.11.11(19:53) 166

アニメや歌から音声データを取り出してきて波形を切り貼りしながら歌わせたりしゃべらせたりする「人力ボカロ」

UTAUも当初人力ボカロの便利ツールとして生まれましたが、それとは別に生まれたのが今回扱う「なめうぇーぶ」です。

今回はなめうぇーぶでUTAU音源を使って歌声を合成します。

【特徴】
・人力ボカロのほとんどの過程をこの一つのソフトで完結できる
・UTAU音源を使うことができる
・単独音にかなり強い
・耳コピに強い
オケと同時再生できる
ハモリも同時再生できる

【導入】
本家様ページでダウンロードできます。ダウンロードしたファイルはEXEですが、ZIPと同じように扱えます。

実行→展開されたファイルへ行く→中の「namewave.exe」を実行

で起動します。

【操作】
起動するとかなりシンプルな画面が出てきます
name01.png

1.設定
「ツール」から「設定」に進むと音声のインアウトの設定とMIDI設定などができます。 
name02.png 

出力は良しとして、MIDIです。
なめうぇーぶはMIDIキーボードが使えます。これで作業スピードがリアルに8倍くらいに速くなるのでMIDIキーボードお持ちの方はぜひつないでおきましょう。

2.UTAU音源のインポート
なめうぇーぶはUTAU音源を読み込むことができます。連続音やCVVCも読み込めますが基本的には単独音が得意です。今回はうちの会長ロイドを使います。

※UTAU音源の中にはUTAU以外のソフトでの利用を禁止しているものもあるので注意しましょう

「アプレット」→「UTAU音源ローダ」を選択
name03.png 
「音源」ボタンを押して音源の場所を指定してやれば読み込みは完了。

3.打ち込み
「アプレット」→「Traffic」を選択すると打ち込み用の画面が現れます。
name05.png 
①「ビートトラック」  :テンポを指定します。ここを右クリックして「他のトラックにも描画」
             を適用するとグリッドが表示されて見やすくなります。
②「オーディオトラック」:オケをD&Dできます。つよい。
③「ボーカルトラック」 :ここでボーカルを生成します。複数トラック追加することも可能。

では打ち込んでいきましょう。
まず、音源ローダの下のほうのボックスに歌詞を入力します。
name06.png 

デフォルトでは一文字あたり8分音符で入力されます。伸ばし棒でノートの長さを調整してください。

できたら生成ボタンを押して、右に出てくる青い波形をTrafficのボーカルトラックにD&Dします。

こうなる。
name07.png 
ピッチはマウスなどで手書きできます。これで基本は終了。

ここからが本領発揮。

ノートを選択して右クリック→「ピッチのドリフトを除去」でピッチが揺らぎを保ったまま均されます。

そして、

ノートを選択→MIDIキーボードで音程を指定→矢印キーでノートを移る

を繰り返すと動画のように恐ろしいスピードで打ち込むことができます。

おそらく世界で最も速く打ち込める歌声合成ソフトだと思われます。音を聞きながら作業ができるので耳コピがはかどります。

あとはピッチ曲線を好きにいじるだけです。

対して、音量調整はUTAUに毛が生えたかはえないかくらいの機能です。

各ノートの青い線にクリックしながら制御点を打ってコントロールします。

これだけ。

連続音やCVVCも使うことはできますが

 ・音素を探してくる
 ・ボーカルトラックに一個一個D&D
 ・原音設定は保持されないことが多いのでそのたびに手直し

などなど、どうも向いてないようです。

人力のツールであるので、ボーカルトラックのエディター上で結構フレキシブルに原音設定と同様の作業ができます(伸縮範囲の指定その他)。自由な原音設定というイメージ。

【単独音簡易調声機能】
細かい調声はできないですが、単独音でのみ使える超速打ち込み技があります。

「アプレット」→「Lyrica」を選択します。

そして、音源とオケを読み込んだら準備完了です。
このようにかなりスピーディーに感覚的に打ち込みができてとても楽しいです。

【まとめ】
なめうぇーぶは結構複雑で多機能なソフトなので他にもいろいろ試してみると楽しい発見があるかもしれません。

ちなみにUTAU音源を作る事はできません。作れるのはあくまでなめうぇーぶ用の音源です。
そしてUSTの読み込み/書き出しもできません。



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UTAU向け架空言語を考える

2017.10.31(17:17) 165

※息抜きネタ。

音楽制作において実在しない言語(=架空言語)による歌詞を使うことがあります。

何も考えずテキトーに音を並べるだけでできないこともないですがこだわる人は文法体系も矛盾なく組まれた言語を使いたい人もいます。

架空言語のアプローチは主にこんな感じになっていると思います。

・完全なるテキトー
・実在の言語の音素差し替え
・音素体系文法体系に整合性のあるオリジナル言語

などなど。

今回は音素体系文法体系に整合性のあるオリジナル言語を考えてみます。

ここで考えるポイントは

・UTAUとの親和性
・音としての美しさ
・文法の論理性と簡便さ
・言語学的無標性有標性

です。

【UTAUとの親和性】
UTAUには技術の面で言語の好き嫌いがあります。

CVCの形が現れる言語(=シラブル言語)、多重子音、多重母音が苦手と言われることが多い印象です。

つまりUTAUとの親和性が高いのは

・CVとVの形がほとんどの言語(=モーラ言語)
・多重子音、多重母音がない

言語。世界的にはかなり珍しい。

音源収録の点では音素が少ないと楽なのでこれも要素に加えてもいいかもしれません。

【音としての美しさ】
音楽として使う以上音を汚くする理由はありません。

が、「美しさ」は評価が難しいのが問題。

中国語的音素が美しいと思う人と英語的音素が美しいと思う人はいて、結構方向性が違います。

好みで。

ただし、二重子音や二重母音、VC音素が美しいと思う場合「UTAUとの親和性」の項目と正面衝突するのでそのあたりは調整が必要になるでしょう。

【文法の論理性と簡便さ】
架空言語の文法は一般にどこかの言語の文法体系をベースにして、簡単にしていくことが多いです。

例外が少なく論理性が高いとPCでの処理が簡単でプラグインが作りやすくなります。論理性は評価も可能です。

簡単さは評価が難しいですがよく言われる簡単な言語の特徴は

・例外がない
・格変化がない
・時制がない

など。日本語人的に時制がないのはわかりにくいかもしれませんが、過去形がなくても事が起こった時間を明示すれば過去であることがわかります。

「昨日」って言ったら過去なのです。

ただ、格変化したときの母音の変化が音の美しさと関係したりすることもあって個々も要調整かもしれません。

文法を簡易なものにすると書くのは簡単で読解が難しいということになりやすかったりします。

【言語学的無標性有標性】
これは完全なるオプションです。気にする必要はありませんが一つの指標になります。

無標=一般的
有標=特殊

という理解を前提に

・母音は5個で、「a, i, u, e, o」が無標
・語順はSOV型が無標

など。こだわりがない項目を無標にすると汎用性が高まります。

ただし、使用人口の多い中国語や英語はかなり有標な言語なので悩ましいのです。


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母音空間

2017.10.11(20:17) 164

母音は主に口腔の広さ、口の中での舌の位置唇の形で決まります。

例えば日本語の「う」は

口腔は狭目
舌の位置は奥
唇は円形にしない

という発音です。これらをまとめて「非円唇後舌狭母音」と言ったりします。

これを図示するとこうなります。

上に行くにつれて狭く
左に行くにつれて前に

なるように記述する図になります。

というだけのお話。


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無声化と脱落

2017.10.04(18:40) 163

【子音性と母音性】
任意の音素が子音っぽいか母音っぽいかというのは狭窄の量で判断します。

例えば
「あ」声帯から口を出るまで口の中で狭まっているところがほぼない→母音性が高い
「t」歯茎と舌で空気がまったく流れないレベルまで狭める→子音性が高い

で、「い」「う」です。

それぞれ母音の中では「狭母音」であって狭窄が強め。よって子音性の高い母音と言えます。

【無声化】
無声子音の行の「い」段と「う」段は母音が声にならないことが多いです。これを無声化と言います。

正確には「ほとんど有声音になってない」状態なので無声音が鳴っていたり、子音が母音の影響を受けて変化していたりします。

「い」段と「う」段は子音性が高いので無声化しやすいですが、実は「い」段と「う」段以外でも無声化はおきます。

「早口になった結果有声音が鳴るだけの長さの発音ができず結果的に無声音になる」

という場合。

UTAUではごくまれにみる表現「潰れたさ行」がこれにあたると思われます。

【脱落】
母音が弱くなった結果無声音すら鳴らず、子音が完全に連続する場合は脱落と言います。

完全に脱落するので周囲の子音が本来あったはずの母音に影響されて変化することもありません。

ということを先生に訊きました。


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機械学習で簡単に英語ライブラリを作れるサービス「LYREBIRD」使ってみた

2017.09.29(15:50) 162

珍しく「音声合成」の話題です。

今回は30個の英文を読むだけで英語話ライブラリを作って遊べるサービス「LYREBIRD」を試してみました。

今回私が作ったのがこちらになります。



この2つはいい感じに合成できた方の音声。逆にちょっとダメかなと思ったものは


こんな感じ。声は確かに学習系っぽい。

【遊び方】
1.アカウントを作ってログイン
 LYREBIRDのページに行って頑張ってください。Yahooメールはうまくいきませんでした。Gmailなら問題なかったです。

2.指示に従って英文を読む
 「Create your digital voice」というリンクを踏むとライブラリの作成開始です。うまいことマイクを設定して30文読みます。逆に30文でこれだけできるならすごいのでは。

3.30文終わったらまだ読むかもうライブラリ制作に入るか選ぶ
 クオリティーのためにもっと英文を読みたいか、もう英語無理ってなってライブラリ構築に移るか選びます。

 今回はもう無理ってなりました。

4.ライブラリ構築
 5分もかからずできた気がします。

5.いろいろ読ませて遊ぼう
 英文を入力すると音声を返してきます。これで完成。

【まとめ】
結構簡単にすぐちょっとした英語TTSライブラリを作れました。


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  1. 人力ボカロツール なめうぇーぶ(11/11)
  2. UTAU向け架空言語を考える(10/31)
  3. 母音空間(10/11)
  4. 無声化と脱落(10/04)
  5. 機械学習で簡単に英語ライブラリを作れるサービス「LYREBIRD」使ってみた(09/29)
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